問題
次の空調熱負荷のうち、潜熱負荷を含む対象として、最も適当なものはどれか。
| 1. | 照明からの発熱負荷 |
| 2. | ガラス窓からの通過熱負荷 |
| 3. | 外気負荷 |
| 4. | ダクト通過熱負荷 |
| 5. | 送風機による負荷 |
回答と解説動画
正解は（3）
潜熱負荷とは？
空調設計で「熱負荷」は大きく顕熱負荷と潜熱負荷に分かれます。
- 顕熱負荷：空気の温度を上げ下げするための熱。たとえば照明や人、日射などで室温が上がる場合の熱です。空気中の水分量は変わりません。
- 潜熱負荷：空気中の水分量（湿度）を変化させるための熱。たとえば、外から湿った空気が入ってきて除湿する場合や、人体から汗や呼気で水分が放出される場合に発生します。潜熱負荷は「蒸発」や「凝縮」といった状態変化に伴う熱です。
各選択肢の解説
１．照明からの発熱負荷
→不適当（顕熱負荷のみ）
照明は発熱するだけで水分を発生させません。
２．ガラス窓からの通過熱負荷
→ 不適当（顕熱負荷のみ）
日射や外気温の影響で室温が上がりますが、湿度（水分量）は変化しません。
３．外気負荷
→ 適当（潜熱負荷を含む）
外気を室内に取り入れるとき、外気が持っている「温度」と「水分（湿度）」の両方が室内に入ってきます。
- 夏は高温多湿の外気が入り、空調機は温度を下げる（顕熱）だけでなく、湿度も下げる（潜熱）必要があります。
- 冬も外気が乾燥していれば加湿（潜熱）が必要になることがあります。
つまり、外気負荷は顕熱負荷＋潜熱負荷の両方を含みます。
ヘタ・レイ高湿度の夏季だけでなく、冬季のように空気が乾燥している場合も、室内側で加湿が必要となるため、潜熱負荷になる該当する点に注意してください。
とりあえず、室内空気の水分量が変化（増減）しそうな場合は潜熱負荷と覚えれば良いと思います。
４．ダクト通過熱負荷
→ 不適当（顕熱負荷のみ）
ダクトの中を空気が通る間に、外部との温度差で熱が出入りしますが、水分量は変化しません。
５．送風機による負荷
→不適当（顕熱負荷のみ）
送風機のモーターや羽根の摩擦で空気が温められるだけで、水分量は変化しません。
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