問題
WBGTに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 熱中症予防のため、スポーツ時のガイドラインとして利用されている。 |
2. | 職場の暑熱基準として利用する場合、作業強度を考慮する必要がある。 |
3. | 日常生活における熱中症予防の注意事項では、WBGTが31℃以上のとき、高齢者では、安静状態であっても熱中症発生の危険が大きいとされている。 |
4. | 職場の暑熱基準として利用する場合、着用する衣服の種類に応じて補正する必要がある。 |
5. | 屋外で太陽照射がある場合、自然湿球温度と黒球温度から求められる。 |
回答と解説動画
正解は(5)
1.熱中症予防のため、スポーツ時のガイドラインとして利用されている。
→正しいです。実際にスポーツや労働現場での熱中症予防ガイドラインとして活用されています。
2.職場の暑熱基準として利用する場合、作業強度を考慮する必要がある。
→正しいです。作業強度(運動強度)によってWBGTの基準値が異なります。
3.日常生活における熱中症予防の注意事項では、WBGTが31℃以上のとき、高齢者では、安静状態であっても熱中症発生の危険が大きいとされている。
→正しいです。WBGTが31℃を超えると、高齢者などは安静時でも熱中症リスクが高まります。
4.職場の暑熱基準として利用する場合、着用する衣服の種類に応じて補正する必要がある。
→正しいです。暑熱基準では着衣量の補正が必要です。
5.屋外で太陽照射がある場合、自然湿球温度と黒球温度から求められる。
→誤りです。屋外で太陽照射がある場合、WBGTは「自然湿球温度(Tw)」「黒球温度(Tg)」だけでなく、「乾球温度(Ta)」も加えて計算します(計算式:0.7Tw+0.2Tg+0.1Ta)。乾球温度が抜けているため、この記述は誤りです。
ポイント
WBGT指数(暑さ指数、湿球黒球温度)の計算式は、屋内と屋外で異なります。
- 屋内または屋外で太陽照射のない場合:
WBGT=(0.7×湿球温度)+(0.3×黒球温度)
屋内では直射日光の影響が少ないため、乾球温度(気温)は計算に含みません。 - 屋外で太陽照射のある場合:
WBGT=(0.7×湿球温度)+(0.2×黒球温度)+(0.1×乾球温度)
屋外では太陽からの輻射熱や気温の影響が大きいため、乾球温度も加えて計算します。
湿球温度(TA):湿度の影響を反映
黒球温度(TB):輻射熱(直射日光や地面からの熱)の影響を反映
乾球温度(TW):一般的な気温
このように、WBGT指数は「気温」「湿度」「輻射熱」の3要素を組み合わせて、熱中症リスクを総合的に評価する指標です。
解説動画
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