ビル管理士 2024年(R6年) 問123　 過去問の解説【給水および排水の管理】

問題

給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

回答と解説動画

正解は（5）

1．真空式温水発生機は、缶体内を大気圧より低く保持しながら水を沸騰させる。
→正しい
真空式温水発生機は、缶体内を減圧し、真空に近い状態にすることで、熱媒水を低温で沸騰させ、その蒸気を利用して温水を生成する装置です。具体的には、燃焼室で熱媒水を加熱し、発生した蒸気が熱交換器で温水と熱交換することで、温水を取り出します。

2．耐熱性硬質ポリ塩化ビニルライニング鋼管には、管端防食継手を使用する。
→正しい
耐熱性硬質ポリ塩化ビニルライニング鋼管の接続には、断面の鋼管部分の腐食防止のため管端防食継手が使われます。

3．ヒートポンプは、排熱を利用した給湯熱源機器としても使用される。
→正しい
ヒートポンプは、空調以外にも空気や排熱などの熱を利用して効率的に給湯を行う熱源機器としても使われています。

ヒートポンプは、空気や水などの熱源から熱を汲み上げて移動させ、冷暖房や給湯などに利用する技術です。少ない電力で、投入した電気エネルギー以上の熱エネルギーを生み出すことができるため、省エネで環境にも優しいとされています。

4．給湯を停止できない施設では、貯湯槽の台数分割が必要になる。
→正しい
病院やホテルなど給湯を停止できない施設では、万一の故障やメンテナンス時にも給湯が継続できるよう、貯湯槽を複数台に分割して設置するのが一般的です。

5．熱交換器を用いて排水から熱回収する場合は、熱効率を上げるために直接熱交換を行う。
→不適当
排水から熱回収する場合、衛生面や安全性の観点から、給湯水と排水が直接接触する「直接熱交換」は原則行わず、間接熱交換方式を採用するのが一般的です。
以下の排湯熱交換器を例にすると、容器の中には排水（捨てる予定のお湯）が流れ、管の中には新しく温めたい水が流れます。この構造により、排水の熱が管を通じて水に伝わり、水を間接的に加温することができます。
新しい水は排水と直接接触していないため、衛生的に安全です。

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