ビル管理士 2024年(R6年) 問120  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給湯に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ポリブテン管の使用温度は、JISにおいて90℃以下となっている。
2.貯湯槽の容量は、ピーク使用時の必要容量の1~2時間分を目安に、加熱能力とのバランスから決定する。
3.厨房(ちゅうぼう)における業務用皿洗い機のすすぎ温度は、80℃程度である。
4.ホテル宿泊部の設計給湯量は、150~250L/(人・日)程度である。
5.複式のベローズ形伸縮管継手の最大伸縮量は35mm程度である。

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回答と解説動画

正解は(5)

1.ポリブテン管の使用温度は、JISにおいて90℃以下となっている。
→正しい
JISにおいてポリブテン管「温度90℃以下で使用する」されています。

樹脂管の使用温度まとめ:

  • 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管:90℃以下
  • ポリブテン管の使用温度:90℃以下
  • 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管:85℃以下
  • 架橋ポリエチレン管:95℃

上記は全て樹脂製の管で、以下のような形状をしています。樹脂なので金属と比べて熱に弱いです。また、樹脂管は使用温度が高くなると、許容圧力は低くなるという特徴があります。

ポリ塩化ビニル管
出典:クボタケミックス
架橋ポリエチレン管
出典:クボタケミックス
ポリブデン管
出典:三和商工

2.貯湯槽の容量は、ピーク使用時の必要容量の1~2時間分を目安に、加熱能力とのバランスから決定する。
→正しい
貯湯槽の容量は、ピーク時の給湯需要に対して1~2時間分を目安とし、加熱能力とのバランスで決定するのが一般的です。

3.厨房における業務用皿洗い機のすすぎ温度は、80℃程度である。
→正しい
業務用食器洗浄機のすすぎ温度は、衛生管理の観点から80℃程度が標準です。高温で洗浄・すすぎを行うことで、食器や調理器具に付着した細菌やウイルスを効果的に除去し、食中毒のリスクを低減するためです。

4.ホテル宿泊部の設計給湯量は、150~250L/(人・日)程度である。
→正しい
ホテル宿泊部の設計給湯量は、1人1日あたり150~250L程度が目安とされています。その他の施設の設計給湯量は以下のとおりです。

施設・用途設計給湯量(目安)
ホテル宿泊部150~250 L/(人・日)
事務所7~10 L/(人・日)
総合病院100~200 L/(床・日)
集合住宅150~300 L/(戸・日)

5.複式のベローズ形伸縮管継手の最大伸縮量は35mm程度である。
→不適当
複式ベローズ形伸縮管継手の最大伸縮量は、一般的に70㎜程度です。伸縮管継手には、ベローズ型とスリーブ型があり以下のような特徴があります。

  • ベローズ型金属蛇腹で軸方向の伸縮や振動吸収に優れる。ベローズが一つのものを単式、二つのものを複式という。最大伸縮量は、単式で35㎜、複式で70㎜程度。
  • スリーブ型スリーブがパッキン部を滑ることで大きな伸縮量を確保。最大伸縮量は200mm程度。

下の画像を見ればわかりますが、スリーブ型は二つの配管が重なっているイメージなので伸縮幅が大きいです。

ベローズ型
出典:オクダソカベ
スリーブ型
出典:ベン

解説動画

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