問題
塩素消毒の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。 |
2. | 窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。 |
3. | 塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。 |
4. | 有害な有機塩素化合物を減少させる。 |
5. | アルカリ側で消毒効果が急減する。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1.多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。
→正しい
塩素消毒は、液体または気体の塩素剤をポンプなどで簡単に大量の水に注入でき、注入量の調整も自動化しやすいため、大規模な水処理施設でも広く採用されています。
2.窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。
→正しい
水中にアンモニアなどの窒素化合物が存在すると、塩素と反応してクロラミン類(モノクロラミン、ジクロラミンなど)が生成されます。クロラミンは遊離残留塩素に比べて消毒力が弱いため、全体の消毒効果が低下します。
3.塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。
→正しい
塩素消毒後の残留塩素は、DPD法(発色試薬を使った比色法)などの簡便な方法で現場でも迅速に測定できます。これにより、消毒効果の管理や安全性の確認が容易です。
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4.有害な有機塩素化合物を減少させる。
→不適当
塩素消毒は、水中の有機物と反応してトリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物を生成する場合があります。逆に、これらの物質を「増加」させるリスクがあるため、「減少させる」という記述は誤りです。
5.アルカリ側で消毒効果が急減する。
→正しい
塩素消毒がアルカリ性で効果が急激に落ちるのは、水のpHが高くなる(アルカリ性になる)と、強い殺菌力を持つ「次亜塩素酸(HOCl)」が減り、殺菌力の弱い「次亜塩素酸イオン(OCl⁻)」が増えるためです。
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