問題
建築基準法の用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 居室とは、居住、執務、作業等の目的に継続的に使用する室であり、階段や倉庫は含まれない。 |
2. | 主要構造部とは、建築物の構造上重要な部分である壁、柱、梁、床、屋根、階段をいい、基礎及び土台は含まれない。 |
3. | 延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線等から一定距離内の外壁、軒裏、開口部等の部位を示すもので、その材質・構造の延焼し易さには無関係である。 |
4. | 耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために壁、柱、床等の建築物の部分に必要な性能である。 |
5. | 建築物とは、土地に定着する工作物であり、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設も含まれる。 |
回答と解説動画
正解は(5)
1.居室とは、居住、執務、作業等の目的に継続的に使用する室であり、階段や倉庫は含まれない。
→正しい
居室は、居住・執務・作業などの目的で継続的に使用する室を指します。階段や倉庫は、継続的に人が滞在して作業や生活を行う場所ではないため、居室には含まれません。
2.主要構造部とは、建築物の構造上重要な部分である壁、柱、梁、床、屋根、階段をいい、基礎及び土台は含まれない。
→正しい
主要構造部とは、建築物の構造上重要な部分である壁、柱、梁、床、屋根、階段を指します。基礎や土台は主要構造部には含まれません。
以下の定義は覚えておいてください。(屋外階段は含まれないなど例外もある点に注意)
主要構造部の定義
壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
3.延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線等から一定距離内の外壁、軒裏、開口部等の部位を示すもので、その材質・構造の延焼し易さには無関係である。
→正しい
延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線や道路中心線などから一定距離内にある外壁、軒裏、開口部などの部位を指し、材質や構造が延焼しやすいかどうかは関係ありません。
参考までに画像を紹介しておきますが、ビル管理士試験では、ここまで細かい知識は問われないと思います。
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4.耐火性能とは、通常の火災が終了するまでの間、建築物の倒壊・延焼を防止するために壁、柱、床等の建築物の部分に必要な性能である。
→正しい
耐火性能は、火災時に建物の倒壊や延焼を防止するために、壁・柱・床などの建築物の部分に求められる性能です。
5.建築物とは、土地に定着する工作物であり、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設も含まれる。
→不適当
建築基準法における「建築物」は土地に定着する工作物ですが、鉄道や軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設は、建築基準法の適用除外となっており、「建築物」には含まれません。
以下が根拠となる条文ですが、とりあえず鉄道関連施設は建築物含まないと覚えておけばOKです。
(建築基準法 第二条)
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
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