ビル管理士 2023年(R5年) 問61  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

空気調和方式と設備の構成との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.定風量単一ダクト方式混合ユニット
2.変風量単一ダクト方式VAVユニット
3.ダクト併用ファンコイルユニット方式還気ダクト
4.分散設置空気熱源ヒートポンプ方式室外機
5.外調機併用ターミナルエアハンドリングユニット方式  VAVユニット
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回答と解説動画

正解は(1)

1.定風量単一ダクト方式 ― 混合ユニット
→ 不適当
「混合ユニット」は、冷風と温風を混合して適温の空気を作るための装置で、主に二重ダクト方式で使われます。
定風量単一ダクト方式(CAV方式)は、空調機から一定の風量・温度の空気を各室に送るシンプルな方式で、混合ユニットは使いません。

下図は、単一ダクト方式(左)と二重ダクト方式(右)の比較です。二重ダクト方式には冷風と温風を混ぜるための混合ボックスがありますが、単一ダクト方式には存在しません。

単一ダクト方式 
出典:モノタロウ
二重ダクト方式 
出典:モノタロウ

2.変風量単一ダクト方式 ― VAVユニット
→ 正しい
変風量単一ダクト方式(VAV方式)は、各ゾーンごとにVAVユニット(Variable Air Volumeユニット)を設置し、負荷に応じて給気量を調整します。VAVユニットはこの方式の必須構成機器です。

VAVユニットの仕組み 出典:株式会社エムジー

VAVユニット(Variable Air Volumeユニット)は、「可変風量ユニット」とも呼ばれ、ビルや大型施設などの空調システムで使われる装置です。
その主な役割は、部屋ごとの空調負荷(温度差や人の数、機器の発熱など)に応じて、送風量を自動的に調整し、室温を快適に保つことです

変風量単一ダクト方式については令和2年問65参照

3.ダクト併用ファンコイルユニット方式 ― 還気ダクト
→ 正しい
ダクト併用ファンコイルユニット方式は、ファンコイルユニットで個別空調を行いながら、各室に新鮮外気を供給するためのダクト(給気・還気ダクト)も併用します。還気ダクトはこの方式で一般的に使われます。

4.分散設置空気熱源ヒートポンプ方式 ― 室外機
→ 正しい
分散設置空気熱源ヒートポンプ方式(ビル用マルチエアコンなど)は、各系統に室外機が設置され、冷媒配管で複数の室内機と接続されます。室外機は必須の構成要素です。

5.外調機併用ターミナルエアハンドリングユニット方式 ― VAVユニット
→ 正しい
外調機併用ターミナルエアハンドリングユニット方式では、外調機で外気を処理し、各ゾーンのターミナルエアハンドリングユニットに供給します。ゾーンごとの風量制御を行うためにVAVユニットが用いられることがあります。

以下の画像はターミナルエアハン(左)と一般的なエアハン(右)です。一般的なエアハンは、複数ゾーンの空調をまとめてカバーしていますが、ターミナルエアハンは各ゾーンごとに設置されており、個別に室温の管理をしています。
また、ターミナルエアハンは一般的に外気処理機能を持たないため、外調機や空調機とセットで使われることが多いです。

ターミナルエアハン
出典:昭和鉄工
通常のエアハン 
出典:ダイキン工業

空調機と外調機の違い

空調機

  • 主に「室内の空気」を循環させて、温度や湿度を調整する機械です。
  • 室内の空気を取り込み、冷やしたり暖めたりして再び室内に戻します。
  • 大空間(オフィス、体育館など)の空調に使われます。

外調機

  • 「外気」を取り込んで、温度や湿度を調整してから室内に供給する機械です。
  • 室内の空気は循環せず、外から新鮮な空気を必要量だけ冷やしたり暖めたりして送ります。
  • 換気や外気導入が必要な用途で使われ、室内の温度調節は別の機器(ファンコイルユニットなど)で行うのが一般的です。

解説動画

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