問題
流体力学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
| 1. | 連続の式(質量保存の法則)は、ダクト中の流体の温度、断面積、流速の積が一定となることを意味する。 |
| 2. | 無秩序な乱れによる流体塊の混合を伴う流れを乱流という。 |
| 3. | ベルヌーイの定理は、流れの力学的エネルギーの保存の仮定から導かれる。 |
| 4. | レイノルズ数が小さい流れでは、粘性が強い流れとなる。 |
| 5. | ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、形状抵抗係数と風速の2乗に比例する。 |
回答と解説動画
正解は（1）
目次
各選択肢の解説
１．連続の式(質量保存の法則)は、ダクト中の流体の温度、断面積、流速の積が一定となることを意味する。
→ 不適当。
連続の式（質量保存の法則）は「密度×断面積×流速」が一定になることを意味します。
温度は直接この式に入りません。
正しくは「密度×断面積×流速＝一定」です。
２．無秩序な乱れによる流体塊の混合を伴う流れを乱流という。
→ 正しいです。
乱流は、無秩序な乱れや流体塊の混合が特徴です。
３．ベルヌーイの定理は、流れの力学的エネルギーの保存の仮定から導かれる。
→ 正しいです。
ベルヌーイの定理は、流体のエネルギー保存則から導かれます。
ベルヌーイの定理については令和6年問51を参照
４．レイノルズ数が小さい流れでは、粘性が強い流れとなる。
→ 正しいです。
レイノルズ数が小さいときは、粘性力が支配的で「粘性が強い流れ」となります。
- レイノルズ数が小さいとき（おおよそ2000未満）を 層流（そうりゅう）と呼び、流体は層をなして滑らかに流れています。粘性力が支配的な流れ。
- レイノルズ数が大きいとき（おおよそ4000以上）を 乱流（らんりゅう）と呼び、流体には渦や乱れが生じています。慣性力が支配的な流れ。
- 2000～4000の間→ 層流と乱流の中間的な状態（遷移領域）。
５．ダクトの形状変化に伴う圧力損失は、形状抵抗係数と風速の2乗に比例する。
→ 正しいです。
圧力損失（形状損失）は、形状抵抗係数と風速の2乗に比例します。
ポイント
- 連続の式：密度×断面積×流速＝一定（温度は直接関係しない）
- 乱流：無秩序な混合・乱れが特徴
- ベルヌーイの定理：エネルギー保存則が基礎
- レイノルズ数：小さいと粘性支配、大きいと慣性支配（乱流）
- 圧力損失：形状抵抗係数×風速²に比例
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