問題
ヒトと水に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 一般成人における体内水分量は、体重の約60%である。 |
2. | 水分・体液のうち、細胞内液は約2/3である。 |
3. | 成人の場合、不可避尿として1日最低1L以上の尿排泄(はいせつ)が必要である。 |
4. | 一般に、体重当たりの体内水分量は女性より男性の方が多い。 |
5. | 水分の欠乏率が体重の約2%になると、強い渇きを感じる。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.一般成人における体内水分量は、体重の約60%である
→ 正しい
成人男性の体内水分量は体重の約60%、女性は約55%です。
「一般成人」としているため、60%で正解です。
2.水分・体液のうち、細胞内液は約2/3である
→ 正しい
体内水分(全体の3分の2)のうち、約2/3が細胞内液、約1/3が細胞外液です。

3.成人の場合、不可避尿として1日最低1L以上の尿排泄が必要である
→ 不適当
不可避尿(老廃物を排出するために最低限必要な尿量)は、一般的に0.4~0.5リットル(400~500mL)/日とされています。1L以上というのは過大な数値です。
4.一般に、体重当たりの体内水分量は女性より男性の方が多い
→ 正しい
女性は体脂肪率が高いため、男性より体内水分量が少なくなります。
5.水分の欠乏率が体重の約2%になると、強い渇きを感じる
→ 正しい
体重の2%程度の水分が失われると、強い渇きを感じるようになります。
以下の表は水分欠乏率とその影響です。各欠乏率に対して、どのような症状が起きるのか把握しておきましょう。
水分欠乏率 | 主な症状・影響 |
---|---|
1% | のどの渇き |
2% | 強い渇き、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮 |
4% | 動きのにぶり、皮膚の紅潮、いらいら、疲労、嗜眠、吐気、感情不安定 |
6% | 手足の震え、熱性抑うつ症昏迷、頭痛、体温上昇、脈拍・呼吸数増加 |
8% | 呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭、精神錯乱 |
10~12% | 筋けいれん、平衡機能失調、失神、舌の腫張、循環不全、腎機能不全 |
15~17% | 皮膚がしなびる、飲み込み困難、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚感覚鈍化、舌のしびれ、眼瞼硬直 |
18% | 皮膚のひび割れ、尿生成の停止 |
20% | 死亡 |
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