問題
ごみの処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
| 1. | 一般廃棄物の埋立処分は、安定型最終処分場で行われる。 |
| 2. | 焼却処理では、容積は5～10%に減容化される。 |
| 3. | ごみ燃料化施設は、選別・乾燥技術を用いている。 |
| 4. | 粗大ごみ処理施設は、破砕・選別技術を用いている。 |
| 5. | 中間処理の目的として、無害化、資源化、減量化、減容化、安定化が挙げられる。 |
回答と解説動画
正解は（1）
１．一般廃棄物の埋立処分は、安定型最終処分場で行われる。
→不適当
一般廃棄物の埋立処分場に区分はありませんので、問題文は誤りとなります。
なお、産業廃棄物の処分場は、廃棄物の種類によって以下のような区分があります。
| 安定型最終処分場 | 環境への影響が少ない特定の産業廃棄物（安定型廃棄物）を埋め立てるための処分場です。具体的には、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、陶磁器くず、コンクリートくず、がれき類などが対象となります。これらの廃棄物は、有害物質を含まず、埋め立て後に汚染水を発生させる可能性が低いとされています。 |
| 管理型最終処分場 | 遮断型と安定型の中間に位置する処分場です。有害物質を含むものの、遮断型ほどではない廃棄物を処分するために設けられます。地下水や公共水域への汚染を防ぐための設備が講じられています。 |
| 遮断型最終処分場 | 有害物質を一定量以上含む産業廃棄物を埋め立てるための施設で、他の最終処分場よりも厳重な構造基準が設けられています。具体的には、有害物質が雨水などと接触しないよう、水密性の鉄筋コンクリートで外部と完全に遮断された構造になっています。 |
なお、一般廃棄物の埋立処分場に区分は無いですが、規格は管理型最終処分場と同等のものになります。
２．焼却処理では、容積は5～10%に減容化される。
→正しい
可燃ごみを焼却することで、水分が除去され、容積は焼却灰などを含めて5～10%程度に減容されます。
３．ごみ燃料化施設は、選別・乾燥技術を用いている。
→正しい
ごみ燃料化施設とは、可燃ごみなどを圧縮・破砕・乾燥などの処理を行い、固形燃料（RDF：ごみ固形燃料）を製造する施設のことです。このRDFは、石炭の代替燃料として発電所やセメント工場などで利用され、廃棄物処理とエネルギー回収を両立する手段として注目されています。
４．粗大ごみ処理施設は、破砕・選別技術を用いている。
→正しい
粗大ごみはそのままでは処理できないため、まず破砕して細かくし、金属類などを選別します。
５．中間処理の目的として、無害化、資源化、減量化、減容化、安定化が挙げられる。
→正しい
中間処理は、最終処分に適した状態にするために行われ、無害化・資源化・減量化・減容化・安定化が目的です。
- 無害化：廃棄物に含まれる有害物質を無毒化したり、除去したりすることで、環境や人体への悪影響を減らします。
- 資源化：廃棄物の中から再利用できるものを分別し、資源として活用することです。例えば、金属やガラスなどを分別し、リサイクルすることができます。
- 減量化：廃棄物の量を減らすことです。例えば、焼却処理によって廃棄物の量を減らすことができます。
- 減容化：廃棄物の容積を減らすことです。例えば、廃棄物を機械で押しつぶして体積を減らすことができます。
- 安定化：廃棄物を安定した状態にして、環境への影響を少なくします。例えば、焼却によって有害物質を分解したり、埋め立てる前に安定化処理を行ったりします。
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