問題
給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | スリーブ形伸縮管継手は、伸縮の吸収量が最大200mm程度である。 |
2. | 中央式給湯設備の末端給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。 |
3. | 事務所用途の建築物における1日当たりの設計給湯量は、30L/人程度である。 |
4. | 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用温度は、85℃以下とする。 |
5. | ガス瞬間湯沸器の能力表示で1号とは、流量1L/minの水の温度を25℃上昇させる能力である。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.スリーブ形伸縮管継手は、伸縮の吸収量が最大200mm程度である。
→正しい
スリーブ形伸縮管継手は、最大200mm程度の伸縮量をもちます。ベローズ型とスリーブ型があり以下のような特徴があります。
- ベローズ型:金属蛇腹で軸方向の伸縮や振動吸収に優れる。ベローズが一つのものを単式、二つのものを複式という。最大伸縮量は、単式で35㎜、複式で70㎜程度。
- スリーブ型:スリーブがパッキン部を滑ることで大きな伸縮量を確保。最大伸縮量は200mm程度。
下の画像を見ればわかりますが、スリーブ型は二つの配管が重なっているイメージなので伸縮幅が大きいです
2.中央式給湯設備の末端給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上とする。
→正しい
中央式給湯設備の末端給湯温度は、ピーク使用時においても55℃以上を維持する必要があります。これは、レジオネラ属菌の繁殖を抑制するためです。
3.事務所用途の建築物における1日当たりの設計給湯量は、30L/人程度である。
→不適当
事務所用途の建築物での1人1日あたりの設計給湯量は、一般的に7~10L程度が標準的な目安です。その他の施設の設計給湯量は以下のとおりです。
施設・用途 | 設計給湯量(目安) |
---|---|
ホテル宿泊部 | 150~250 L/(人・日) |
事務所 | 7~10 L/(人・日) |
総合病院 | 100~200 L/(床・日) |
集合住宅・住宅 | 150~300 L/(戸・日) |
4.耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用温度は、85℃以下とする。
→正しい
耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用温度は、85℃以下と定められています。
樹脂管の使用温度まとめ:
- 耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管:90℃以下
- ポリブテン管の使用温度:90℃以下
- 耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管:85℃以下
- 架橋ポリエチレン管:95℃
上記は全て樹脂製の管で、以下のような形状をしています。樹脂なので金属と比べて熱に弱いです。また、樹脂管は使用温度が高くなると、許容圧力は低くなるという特徴があります。
0-1024x552.jpg)
出典:クボタケミックス
.jpg)
出典:クボタケミックス
.jpg)
出典:三和商工
5.ガス瞬間湯沸器の能力表示で1号とは、流量1L/minの水の温度を25℃上昇させる能力である。
→正しい
ガス瞬間湯沸器の「1号」は、1分間に1Lの水を25℃上昇させる能力を示すという説明で合っています。
解説動画
解説動画はまだありません
コメント