ビル管理士 2023年(R5年) 問110  過去問の解説【給水および排水の管理】

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問題

給水設備で使用される貯水槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鋼板製貯水槽は、防錆(せい)処理被膜の劣化状況の定期的な点検が必要である。
2.FRP製貯水槽は、耐食性に優れている。
3.FRP製貯水槽は、耐震などの機械的強度が高い。
4.ステンレス鋼板製貯水槽は、表面がきれいで汚れも付きにくい。
5.木製貯水槽は、断熱性に優れている。

回答と解説動画

正解は(3)

1.鋼板製貯水槽は、防錆(せい)処理被膜の劣化状況の定期的な点検が必要である。
→正しい
鋼板製の貯水槽は、鉄が主な材料なので水や空気に触れるとサビやすいです。そのため、表面には防錆処理がされています。ただし、この防錆被膜は長い間使っていると傷んだり剥がれたりすることがあります。もし被膜が劣化すると、そこからサビが発生して水質が悪くなる原因になります。そのため、定期的に被膜の状態をチェックが必要になります。

2.FRP製貯水槽は、耐食性に優れている。
→正しい
FRP(繊維強化プラスチック)は、ガラス繊維などを樹脂で固めて作られています。この素材は水や薬品に強く、サビたり腐ったりしません。そのため、長期間使っても内部や外部が劣化しにくく、耐食性が高いという特徴があります。特に、塩害や薬品の影響を受けやすい場所でよく使われます。

FRP製貯水槽
出典:積水アクアシステム

3.FRP製貯水槽は、耐震などの機械的強度が高い。
→不適当
FRPは軽くて加工しやすく、サビないというメリットがありますが、鉄やステンレスのような金属と比べると、構造的な強さや耐震性はそれほど高くありません。
そのため、FRP製貯水槽は大きな地震や強い衝撃が加わると、割れたり変形したりすることがあります。

FRP は、繊維で強化されたプラスチックのことで、軽くて強度が高く、様々な分野で使用されています。

4.ステンレス鋼板製貯水槽は、表面がきれいで汚れも付きにくい。
→正しい
ステンレスは表面がとてもなめらかで、汚れや水アカ、細菌などが付きにくい性質があります。また、サビにも強いので、衛生的な管理がしやすいです。
ただし、ステンレスは塩素ガスにより腐食が起こることがあります。とくに、槽上部の空気との接触部(気液界面)において、水道水に含まれる次亜塩素酸ナトリウムが蒸発することにより発生する塩素ガスが原因で腐食リスクが高まります。

5.木製貯水槽は、断熱性に優れている。
→正しい
木は熱を伝えにくい性質を持っています。そのため、木製貯水槽は、外気温の影響を受けにくく水温が急激に変化しにくいです。また、結露がしにくいという特徴もあります。

解説動画

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