ビル管理士 2022年(R4年) 問8  過去問の解説【建築物衛生行政概論】

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問題

建築物環境衛生管理基準に定める雑用水の衛生上の措置等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.雑用水の給水栓における遊離残留塩素の含有率の規定は、飲料水の給水栓における遊離残留塩素の含有率とは異なる。
2.雑用水を水洗便所に使用する場合は、し尿を含む水を原水として使用してはならず、pH値、臭気、外観、大腸菌について、基準に適合していること。
3.雑用水を散水、修景、清掃に使用する場合は、し尿を含む水を原水として使用してはならず、pH値、臭気、外観、大腸菌、濁度について、基準に適合していること。
4.遊離残留塩素、pH値、臭気、外観については14日以内ごとに1回、大腸菌、濁度については、3か月以内ごとに1回、定期検査を実施すること。
5.供給する雑用水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちにその雑用水を使用することが危険である旨を関係者に周知し、その後、供給を停止すること。

回答と解説動画

正解は(3)

1.雑用水の給水栓における遊離残留塩素の含有率の規定は、飲料水の給水栓における遊離残留塩素の含有率とは異なる。
→ 不適当
雑用水も飲料水も「遊離残留塩素0.1mg/L以上(結合残留塩素の場合は0.4mg/L以上)」で同じ規定です。

2.雑用水を水洗便所に使用する場合は、し尿を含む水を原水として使用してはならず、pH値、臭気、外観、大腸菌について、基準に適合していること。
→ 不適当
水洗便所用の雑用水は、し尿を含む水を原水として使用してもよいとされています。

3.雑用水を散水、修景、清掃に使用する場合は、し尿を含む水を原水として使用してはならず、pH値、臭気、外観、大腸菌、濁度について、基準に適合していること。
→正しい
散水・修景・清掃用の雑用水は、し尿を含む水を原水として使用してはならず、またpH値、臭気、外観、大腸菌、濁度について基準に適合する必要があります。

4.遊離残留塩素、pH値、臭気、外観については14日以内ごとに1回、大腸菌、濁度については、3か月以内ごとに1回、定期検査を実施すること。
→ 不適当
正しくは、遊離残留塩素、pH値、臭気、外観は7日以内ごとに1回、大腸菌と濁度は2か月以内ごとに1回です。

5.供給する雑用水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちにその雑用水を使用することが危険である旨を関係者に周知し、その後、供給を停止すること。
→ 不適当
正しくは、「直ちに供給を停止し、その旨を関係者に周知すること」です。周知が先ではなく、供給停止が先です。

雑用水の水質基準まとめ

項目基準値頻度
残留塩素遊離残留塩素:0.1mg/L以上
結合残留塩素:0.4mg/L以上
7日以内ごとに1回
pH値5.8以上8.6以下7日以内ごとに1回
臭気異常でないこと7日以内ごとに1回
外観ほとんど無色透明であること7日以内ごとに1回
大腸菌検出されないこと2月以内ごとに1回
濁度2度以下2月以内ごとに1回
  • 水洗便所用水として使う場合は濁度の基準値は無し
  • 散水、修景、清掃用水の維持管理として使用する場合は、し尿を含む水を原水として使用しないこと。

解説動画

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