ビル管理士 2021年(R3年) 問84  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.人間の可聴範囲は、音圧レベルでおよそ0~130dBの範囲である。
2.対象音と暗騒音のレベル差が15dBより大きい場合は、暗騒音による影響の除去が必要である。
3.空気中の音速は、気温の上昇と共に増加する。
4.低周波数域の騒音に対する人の感度は低い。
5.時間によって変動する騒音は、等価騒音レベルによって評価される。

回答と解説動画

正解は(2)

1.人間の可聴範囲は、音圧レベルでおよそ0~130dBの範囲である。
→ 正しい。
人間の聴覚が聞こえる音圧レベルは、おおよそ0dBから140dB程度です。なお、100dB以上の音では、短時間でも聴力に影響が出る可能性があり、120dB以上だと即座に聴力に深刻なダメージがあるとされています。

  • 80デシベル:救急車のサイレン、地下鉄の車内
  • 100デシベル:電車が通るときのガード下、液圧プレス(1m)
  • 120デシベル:飛行機のエンジンの近く

人間の可聴範囲は周波数で20~20,000Hz、音圧レベルでほぼ0~130dBの範囲です。

2.対象音と暗騒音のレベル差が15dBより大きい場合は、暗騒音による影響の除去が必要である。
→ 不適当。
暗騒音と対象音のレベル差が10dB以上ある場合、暗騒音の影響は無視でき、補正や除去は不要とされます。
逆に、レベル差が小さいときに補正が必要です。

「暗騒音」とは、測定したい音(対象音)以外に、その場所で常に存在している環境音や雑音のことです。
例えば、エアコンの運転音を測りたい場合、外から聞こえる車の音や他の機械の音、人の話し声などが「暗騒音」にあたります。
測定方法としては、まず「対象音+暗騒音」の値を測り、次に「暗騒音だけ」の値を測って、両者の差を確認します。この差が10dB以上あれば、暗騒音の影響は非常に小さく、実質的に無視できます

3.空気中の音速は、気温の上昇と共に増加する。
→ 正しい。
音速は気温が上がると速くなります。これは気体分子の運動エネルギーが増えるためです。

4.低周波数域の騒音に対する人の感度は低い。
→ 正しい。
人間の耳は低周波に対する感度が高周波より低いです。

5.時間によって変動する騒音は、等価騒音レベルによって評価される。
→ 正しい。
等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音をエネルギー的に平均して評価する指標です。

解説動画

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