問題
シックビル症候群でみられる症状等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 目やのどの刺激やくしゃみ等の症状は、加湿により減少する。 | ||
2. | そのビルを使用、利用する全ての人に症状がみられる。 | ||
3. | 外気の供給不足が発症の危険因子である。 | ||
4. | 胸部圧迫感、息切れ、咳(せき)などの症状を呈することがある。 | ||
5. | アトピー体質が発症の危険因子である。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1.目やのどの刺激やくしゃみ等の症状は、加湿により減少する。
→ 正しい
シックビル症候群では、室内の乾燥が目や喉の粘膜を刺激し、痛みやかゆみ、くしゃみなどの症状を悪化させることがあります。
適度な加湿(相対湿度40~60%程度)を行うことで、粘膜の乾燥が防がれ、これらの症状が和らぐことが多いです。
ただし、加湿しすぎるとカビやダニの発生リスクが増すため、湿度管理はバランスが重要です。
2.そのビルを使用、利用する全ての人に症状がみられる。
→ 不適当
シックビル症候群の特徴は、「同じ環境下でも症状が出る人と出ない人がいる」ことです。
症状の有無や程度は、個人の体質(アレルギー体質やアトピー素因)、既往歴、年齢、健康状態、ストレスの有無などによって大きく異なります。
実際には、ビル内の一部の人だけが症状を訴えるケースが多く、全員が同じように発症することはありません。
3.外気の供給不足が発症の危険因子である。
→ 正しい
換気が不十分だと、建材や家具から発生するホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)、カビ、ダニ、二酸化炭素などの濃度が高くなり、シックビル症候群のリスクが高まります。
新しいビルや気密性の高い建物では特に換気不足が問題になりやすく、外気の十分な供給(換気量の確保)は最も基本的な予防策です。
4.胸部圧迫感、息切れ、咳などの症状を呈することがある。
→ 正しい
シックビル症候群の症状は多岐にわたり、目や喉の刺激、くしゃみ、頭痛、めまい、集中力低下などに加え、呼吸器症状(咳、息切れ、胸部圧迫感)もよくみられます。
5.アトピー体質が発症の危険因子である。
→ 正しい
アトピー体質やアレルギー体質の人は、シックビル症候群を発症しやすいとされています。
これは、カビやダニ、化学物質に対する感受性が高いためで、同じ環境でもアトピー体質の人だけが強い症状を訴えることもあります。
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