問題
ねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
1. | ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。 | ||
2. | IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。 | ||
3. | 生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6か月以内に一度、又は発生の多い場所では、2か月以内に一度の定期的な調査を継続する。 | ||
4. | チャバネゴキブリが発生している厨(ちゅう)房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は30である。 | ||
5. | ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。
→不適当
IPM(総合的有害生物管理)では、まず発生予防や侵入防止といった対策を優先的に実施します。薬剤処理はそのあとに考えることです。
2.IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。
→不適当
警戒水準とは「放置すると今後、問題になる可能性がある状況であり、ただちに防除作業が必要な段階ではありません。すぐに防除が必要なのは「措置水準」です。以下の3つの段階を暗記しておきましょう。
- 許容水準:環境衛生上良好な状態であり、定期的な調査を継続すればよい状況
- 警戒水準:放置すると今後、問題になる可能性がある状況
- 措置水準:すぐに防除作業が必要な状況
3.生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6か月以内に一度、又は発生の多い場所では、2か月以内に一度の定期的な調査を継続する。
→正しい
一般の場所は6か月以内に一度、発生の多い場所(食料を扱う場所、排水槽など)は2か月以内に一度定期に調査を行います。
4.チャバネゴキブリが発生している厨房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は30である。
→不適当
ゴキブリ指数は、1トラップ1日あたりの捕獲数で算出されます。このとき成虫、幼虫の違いについては考慮されません。
計算式:
(30 + 120) ÷(5箇所 × 3日)= 10
したがって、指数30は誤りです。
5.ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。
→不適当
建築物衛生法における殺虫剤は、医薬品、医薬部外品として承認されたものでなければ使用できません。この中に農薬は含まれません。
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