ビル管理士 2021年(R3年) 問174  過去問の解説【ねずみ、昆虫等の防除】

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問題

建築物内のネズミの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ジフェチアロール以外の抗凝血性殺鼠剤は、連続して喫食させることが必要である。
2.外部からの侵入を防ぐために、通風口や換気口の金属格子の目の幅は1cm以下にする。
3.カプサイシンのスプレーやパテは、ケーブルなどのかじり防止やネズミによってかじられた穴の修理に使用される。
4.防除は、餌を断つこと、巣を作らせないこと及び通路を遮断することが基本である。
5.殺鼠剤には、経口的な取り込み以外に、経皮的な取り込みによって効果を示す薬剤がある。

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回答と解説動画

正解は(5)

1.ジフェチアロール以外の抗凝血性殺鼠剤は、連続して喫食させることが必要である。
→正しい
ジフェチアロールは一回食べさせれば致死効果がある第2世代の抗凝血性殺鼠剤ですが、それ以外の抗凝血性殺鼠剤(例:ワルファリンなど)は複数日かけて連続摂取が必要です。

2.外部からの侵入を防ぐために、通風口や換気口の金属格子の目の幅は1cm以下にする。
→正しい
クマネズミなどの小型のネズミは小さな隙間からも侵入可能なため、外部と繋がる隙間などは1㎝以下にすることが防除対策として有効です。

3.カプサイシンのスプレーやパテは、ケーブルなどのかじり防止やネズミによってかじられた穴の修理に使用される。
→正しい
カプサイシンは唐辛子に含まれる辛みの成分で、 ネズミの嗅覚は人間よりも強いため、唐辛子の臭いを強く感じます。そのため、カプサイシンを含む忌避剤をネズミがかじりそうなところに塗ることは対策として効果があります。

4.防除は、餌を断つこと、巣を作らせないこと及び通路を遮断することが基本である。
→正しい
上記はネズミ防除の三原則なので必ず暗記しましょう。

5.殺鼠剤には、経口的な取り込み以外に、経皮的な取り込みによって効果を示す薬剤がある。
→不適当
殺鼠剤は基本的に経口摂取(食べさせる)による作用を前提としており、経皮吸収によって致死効果を示すものは実用化されていません。

殺鼠剤の種類

殺鼠剤は、抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤、動物用医薬部外品の4つに分類されます。

上記のうち、「動物用医薬部外品」は農林水産省の管轄で、「抗凝血性殺鼠剤(第1、第2)、急性殺鼠剤」は防除用医薬部外品に該当し厚生労働省の管轄となります。
※動物用医薬部外品は建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できません

  • 第1世代ー抗凝血性殺鼠剤
    血液が凝固する時間を遅くすることで、出血死させることができる。
    効果は遅効性で、3~7日程度連続して摂取させる必要がある。
    以下のような種類があります。
    • ワルファリン(抵抗力をもつネズミ・スーパーラットが出現している)
    • フマリン
    • クマテトラリル
  • 第2世代ー抗凝血性殺鼠剤
    第1世代の殺鼠剤に抵抗をもつスーパーラット対策として開発された強力な殺鼠剤。
    効果は第1世代でと同じで、血液が凝固する時間を遅くして出血死させることだが、1回だけ摂取させれば効果が得られる点が大きな違いとなる。
    以下のような種類があります。
    • ジフェチアロール
  • 急性殺鼠剤
    急性殺鼠剤とは、ネズミが摂取してから数時間で効果が現れる。即効性が特徴で、大量発生しているネズミの駆除に有効です。
    以下のような種類があります。
    • ノルボルマイド
    • シリロシド
    • リン化亜鉛
  • 動物用医薬部外品
    ワルファリンなどに抵抗性をもったネズミにも効果がある。承認が出ていないため建築物衛生法に基づく特定建築物内で使用できず、畜舎に発生するネズミなどに使用する。
    以下のような種類があります。
    • ブロマジオロン製剤

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