ビル管理士 2021年(R3年) 問113  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給水設備における現象とその原因の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

1.ウォータハンマシングルレバー水栓による急閉
2.貯水槽水面の波立ち 迂回壁の設置
3.クリープ劣化   長時間継続する応力
4.青水    銅イオンの浸出
5.孔食   ステンレス鋼管内の異物の付着

回答と解説動画

正解は(2)

1.ウォータハンマ シングルレバー水栓による急閉
→正しい
ウォータハンマは、急激にバルブを閉めたときに水の流れが止まり、管内圧力が急上昇して衝撃波が発生する現象です。これにより配管が振動したり、異音が発生したりします。
シングルレバー水栓は急閉しやすい構造となっています。

出典:KVK

2.貯水槽水面の波立ち 迂回壁の設置
→不適当
貯水槽の水面の波立ちは、防波板の設置が望ましいです。
問題文にある迂回壁とは、水槽内の滞留水を防ぐために設置される壁のことです。特に、大容量の貯水槽では、水の流れが悪くなりやすい隅や角に滞留水が発生しやすいため、迂回壁を設置することで、水の流れを促進し、死水(滞留水が腐敗したもの)の発生を防ぐ役割があります。

貯水槽の防波板
出典:With-Best(ウィズベスト)
貯水槽の迂回壁
出典:積水アクアシステム


3.クリープ劣化 長時間継続する応力
→正しい
クリープ劣化は、長時間継続する応力によって材料が徐々に変形・劣化する現象です。

4.青水 銅イオンの浸出
→正しい
青水(あおみず)は、銅製配管から銅イオンが溶出することで発生します。

5.孔食 ステンレス鋼管内の異物の付着
→正しい
ステンレス鋼管内の孔食は、異物の付着を起点に、腐食から金属を保護する役割を持つ不動態皮膜が破壊され、腐食が進行する現象です。

孔食(こうしょく)とは、金属表面にできる局所的な腐食の一種で、小さな穴(ピンホール)が形成され、その周囲で腐食が進行する現象です。特にステンレス鋼や銅管などで見られ、水質や使用環境が影響します。

解説動画

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