問題
水道法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 水道とは、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。 | ||
2. | 水道事業とは、一般の需要に応じて水道によって水を供給する事業であって、計画上の給水人口が101人以上のものをいう。 | ||
3. | 上水道事業とは、計画給水人口が4,001人以上である水道事業をいう。 | ||
4. | 専用水道には、寄宿舎等の自家用水道等で、100人を超えるものにその居住に必要な水を供給するものが含まれる。 | ||
5. | 簡易専用水道とは、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするもので、水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものをいう。 |
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正解は(3)
1.水道とは、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。
→正しい
水道法第3条に「水道とは、導管及びその他の工作物により水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう」と定められています。つまり、単なる配管だけでなく、浄水場や貯水槽、ポンプ場なども含めた総合的なシステム全体を指します。
(水道法 第三条)
この法律において「水道」とは、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう。ただし、臨時に施設されたものを除く。
2.水道事業とは、一般の需要に応じて水道によって水を供給する事業であって、計画上の給水人口が101人以上のものをいう。
→正しい
水道法では、給水人口が101人以上、または1日最大給水量が20m³を超える場合を「水道事業」としています。つまり、比較的小規模な集落や施設でも、101人以上の需要があれば水道事業となり、法的な管理や監督の対象となります。
(水道法 第三条)
2 この法律において「水道事業」とは、一般の需要に応じて、水道により水を供給する事業をいう。ただし、給水人口が百人以下である水道によるものを除く。
3.上水道事業とは、計画給水人口が4,001人以上である水道事業をいう。
→不適当
上水道事業の定義は「計画給水人口が5,001人以上」であり、「4,001人以上」という記述は誤りです。
なお、給水人口が5,000人以下の場合は、簡易水道事業に該当します。
(水道法 第三条)
3 この法律において「簡易水道事業」とは、給水人口が五千人以下である水道により、水を供給する水道事業をいう。
4.専用水道には、寄宿舎等の自家用水道等で、100人を超えるものにその居住に必要な水を供給するものが含まれる。
→正しい
専用水道とは、特定の施設(寄宿舎・社宅・療養所など)で100人を超える居住者に飲用水を供給する自家用水道を指します。
(水道法 第三条)
6 この法律において「専用水道」とは、寄宿舎、社宅、療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の水道であつて、次の各号のいずれかに該当するものをいう。ただし、他の水道から供給を受ける水のみを水源とし、かつ、その水道施設のうち地中又は地表に施設されている部分の規模が政令で定める基準以下である水道を除く。
一 百人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの
二 その水道施設の一日最大給水量(一日に給水することができる最大の水量をいう。以下同じ。)が政令で定める基準を超えるもの

条文だとわかりにくいですよね。
「専用水道」というのは、例えば工場や学校などで、井戸から水をくみ上げて、それを自分のところだけで使っているような水道です。
水道局から水を買ってるわけではないけど、たくさんの人が使う場合は『専用水道』として扱われて、水質検査や管理が必要になるんです。
5.簡易専用水道とは、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするもので、水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものをいう。
→正しい
簡易専用水道は、公共水道(上水道や簡易水道)からの給水のみを水源とし、受水槽の有効容量が10m³を超える施設を指します。ビルやマンションなどの大型建物でよく該当し、定期的な清掃や水質検査などの管理義務が発生します。
根拠となる条文は以下の通りです。
(水道法 第三条)
7 この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。
(水道法施行令 第二条 簡易専用水道の適用除外の基準)
法第三条第七項ただし書に規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が十立方メートルであることとする。
ビル管理士試験で必要そうな水道の分類まとめ
区分 | 主な特徴 |
---|---|
水道事業 | 一般の需要に応じて水道で水を供給する事業。 計画給水人口101人以上、または1日最大給水量20m³超 |
上水道事業 | 水道事業のうち計画給水人口5,001人以上のもの。 |
簡易水道事業 | 水道事業のうち計画給水人口5,000人以下のもの。 |
専用水道 | 自家用水道で、①給水人口100人超、または②1日最大給水量20m³超のもの(ただし一定規模以下の受水型は除外)。 井戸水などを水源としている場合などが該当します。 |
簡易専用水道 | 水道事業からの受水のみを水源とし、受水槽の有効容量合計が10m³超のもの。 受水槽などを設置しているビルやマンションが該当します。 |
水道施設 | 水道施設とは、水道法で定義されている、取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設、配水施設を指します。 |



「上水道事業」のような水道事業っていうのは、水を他人に売る・供給することが目的のビジネス(または公共サービス)です。
一方、専用水道などは、自分の施設だけで使うためのもので、売るわけではなく、自家使用が目的です。
全く別物なので勘違いしないようにしてくださいね!
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