ビル管理士 2020年(R2年) 問81  過去問の解説【空気環境の調整】

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問題

冷却塔と冷却水の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.連続ブローなどの冷却水濃縮管理は、スケール防止に有効である。
2.冷却水系の化学的洗浄には、過酸化水素が用いられる。
3.冷却塔及び冷却水の水管は、1年以内ごとに1回清掃する。
4.冷却塔及び冷却水は、その使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。
5.スケール防止剤、レジオネラ属菌の殺菌剤等を有するパック剤は、薬注装置を利用し連続的に注入してその効果を発揮する。

回答と解説動画

正解は(5)

1. 連続ブローなどの冷却水濃縮管理は、スケール防止に有効である。
→正しい
連続ブローや強制ブローは、冷却水中のミネラルや汚れの濃縮を防ぎ、スケール(付着物)の発生を抑える有効な方法です。

連続ブローとは、冷却塔で水の濃縮を防ぐために、手動で給水バルブを開き、常に水を供給し続ける方法です。これにより、冷却水がオーバーフローして、不要な部分を排水し、新しい水と交換します。

2. 冷却水系の化学的洗浄には、過酸化水素が用いられる。
→正しい
冷却水系の化学的洗浄では、過酸化水素や塩素酸が用いられています。

3. 冷却塔及び冷却水の水管は、1年以内ごとに1回清掃する。
→正しい
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則」により、冷却塔・冷却水の水管・加湿装置の清掃は1年以内ごとに1回以上行うことが定められています。

4. 冷却塔及び冷却水は、その使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。
→正しい
法令で、冷却塔および冷却水は「使用開始時および使用期間中、1か月以内ごとに1回以上」点検することが義務付けられています。

5. スケール防止剤、レジオネラ属菌の殺菌剤等を有するパック剤は、薬注装置を利用し連続的に注入してその効果を発揮する。
不適当
パック剤(固形剤・タブレット型)は、定期的に冷却塔に直接投入して溶かすタイプであり、薬注装置を使って連続注入する液体薬剤とは使い方が異なります。パック剤は「一定期間ごとに投入」して効果を持続(1~3か月)させるもので、薬注装置による連続注入は不要です。

冷却塔については令和6年問82も参考になります。

解説動画

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