ビル管理士 2020年(R2年) 問32　 過去問の解説【建築物の環境衛生】

問題

室内空気汚染とその健康障害との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

回答と解説動画

正解は（1）

1．レジオネラ属菌　　　肺がん
→不適当
レジオネラ属菌は主に水環境で繁殖し、エアロゾルとして吸引されることで感染します。主な健康障害は「レジオネラ肺炎（在郷軍人病）」であり、急性の肺炎を引き起こします。肺がんとの関連はありません。

2．二酸化窒素　　　慢性気管支炎
→正しい
二酸化窒素は大気汚染物質の一つで、長期曝露により慢性気管支炎や肺気腫などの呼吸器疾患を引き起こします。

3．オゾン　　　肺気腫
→正しい
オゾンへの長期曝露は肺気腫のリスクを高めることが、疫学研究で明らかになっています。

4．ホルムアルデヒド　　　喘息様気管支炎
→正しい
ホルムアルデヒドは、室内空気中に存在すると喘息様気管支炎やシックハウス症候群などの呼吸器症状を引き起こすことがあります。

5．ハウスダスト　　　アレルギー性疾患
→正しい
ハウスダストにはダニやカビ、細菌、繊維くずなどが含まれ、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの原因となります。

ポイント

・レジオネラ属菌は肺炎の原因菌であり、肺がんとの関連はない
・二酸化窒素やオゾンなどの大気汚染物質は、呼吸器疾患（慢性気管支炎、肺気腫など）のリスク要因
・ホルムアルデヒドは喘息様気管支炎やシックハウス症候群の原因
・ハウスダストはアレルギー性疾患の主な原因

解説動画