問題
建築物内廃棄物の貯留・搬出方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 容器方式は、コンパクタ・コンテナ方式より貯留・搬出の作業性に優れている。 | ||
2. | 真空輸送方式は、輸送管によって空気搬送する方式である。 | ||
3. | コンパクタ・コンテナ方式は、大規模建築物に適している。 | ||
4. | 貯留・搬出方式は、真空収集方式より初期コストがかからない。 | ||
5. | コンパクタ・コンテナ方式は、容器方式よりランニングコストが少ない。 |
回答と解説動画
正解は(1)
建築物内廃棄物の貯留・搬出方式は大きく分けて以下の4つがあります。
種類 | 特徴 | 性能 |
容器方式 | 廃棄物をポリバケツや小型コンテナ等の容器に貯留し、機械式収集車(ゴミ収集車)に人力で積み替え搬出する方式。 初期コストが低めで小規模建築物に導入。 | 初期コスト:◎ ランニングコスト:△ 所要人員:× 衛生性:△ 防災性:△ 作業性:× 設置スペース:× |
貯留・排出機方式 | 専用の装置(貯留・排出機)に入れられた廃棄物を、スクリューまたはドラムの回転によって圧縮貯留して、機械式収集車(ゴミ収集車)に自動的に積み替え搬出する方式。 中規模建築物に導入。 | 初期コスト:〇 ランニングコスト:〇 所要人員:〇 衛生性:〇 防災性:◎ 作業性:〇 設置スペース:〇 |
コンパクタ・ コンテナ方式 | 圧縮機(コンパクタ)によって圧縮された廃棄物をコンテナ内に貯留し、コンテナごとトラックによって搬出する方式。 初期コストは高いがランニングコストが低く設置スペースも少ない。大規模建築物に導入。 | 初期コスト:△ ランニングコスト:◎ 所要人員:〇 衛生性:◎ 防災性:◎ 作業性:◎ 設置スペース:◎ |
真空収集方式 | 建物のダストシュートとごみ収集所を輸送管で結び、管内の空気を収集所側から吸引することにより、ごみを空気と一緒に搬送する方式。 初期コストがかなり高いが、所要人員が少ない。広域大規模開発地域に導入。 | 初期コスト:× ランニングコスト:△ 所要人員:◎ 衛生性:◎ 防災性:△ 作業性:◎ 設置スペース:〇 |
1.容器方式は、コンパクタ・コンテナ方式より貯留・搬出の作業性に優れている。
→不適当
容器方式はコンパクタ・コンテナ方式に比べて小規模施設には適していますが、作業効率や貯留能力の面では劣ります。大量の廃棄物処理が必要な施設では、圧縮機能を持つコンパクタ・コンテナ方式の方が作業性に優れます。
2.真空輸送方式は、輸送管によって空気搬送する方式である。
→正しい
真空輸送方式は、圧力差によって廃棄物を管内で空気搬送する仕組みです。
3.コンパクタ・コンテナ方式は、大規模建築物に適している。
→正しい
大量の廃棄物を圧縮・貯留できるため、大規模施設で広く採用されています。
4.貯留・搬出方式は、真空収集方式より初期コストがかからない。
→正しい
真空収集方式は配管や吸引設備などの初期設備費が高額となるため、一般的な貯留・搬出方式よりも初期コストがかかります。
5.コンパクタ・コンテナ方式は、容器方式よりランニングコストが少ない。
→正しい
コンパクタ・コンテナ方式では、容器方式より初期コストこそ高くつきますが、ごみを圧縮して搬出頻度を減らすことができるため、ランニングコストを抑えることができます。
一方、容器方式は、ポリバケツや小型コンテナ等の容器を、人力で頻繁に交換・回収する必要があるため、ランニングコストが高くなります。
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