ビル管理士 2020年(R2年) 問131  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

排水通気配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ループ通気方式は、通気管を最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流から立ち上げて、通気立て管に接続する方式である。
2.通気管の大気開口部を窓や換気口の付近に設ける場合は、その上端から600mm以上立ち上げる。
3.特殊継手排水システムは、排水横枝管への接続器具数が多いビルに採用されている。
4.管径150mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。
5.伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。

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回答と解説動画

正解は(3)

1.ループ通気方式は、通気管を最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流から立ち上げて、通気立て管に接続する方式である。
→正しい
ループ通気管は、最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ下流側から立ち上げて、通気立て管に接続します。(下図右参照)
なお、「最上流の器具排水管が排水横枝管に接続される位置のすぐ上流側」に設けてしまうと、通気管のほうに汚物が入ってしまった場合に、さらに上流から水が流れてくることがないため、汚物が滞留してしまうためNGです、下流側というところポイントなので覚えておきましょう。

通気方式
出典:日本管材センター株式会社

2.通気管の大気開口部を窓や換気口の付近に設ける場合は、その上端から600mm以上立ち上げる。
→正しい
排水通気管の末端を大気に開放する際には、通気管を通じて悪臭や有害なガスが室内に入り込むことを防ぐ必要があります。このため、通気管の開口部は、近接する開口部(窓・換気口など)よりも600mm以上高い位置に設けるようにします。

3.特殊継手排水システムは、排水横枝管への接続器具数が多いビルに採用されている。
→不適当
特殊継手排水方式は、排水立管と排水横枝管の合流部に特殊な継手を使用する方式です。
継手内部には旋回羽根がついており、排水を旋回させながら流すことで、管内に空気の通り道を確保します。これにより、排水時の負圧や正圧の発生を抑えつつ、通気管を別に設けることなく排水の許容流量を向上させる効果があります。
通気管のスペースを削減できる反面、通気量は限られてしまいますので、排水横枝管への接続器具数が比較的少ない集合住宅やホテルの客室系統に多く採用されています。(下図の右参照)

出典:日本管材センター株式会社

4.管径150mmの排水横管の最小勾配は、1/200である。
→正しい
「排水横管の管径と最小勾配」とは、排水をスムーズに流すために必要な管の太さ(直径)と、傾ける角度(勾配)に関する基準です。例えば「1/100の勾配」とは、1メートル進むごとに1cmの高さの差をつけるという意味です。
管径150mmの排水横管の場合、最小勾配は1/200とされています。

なお、排水横管が水平すぎると、水が流れずに溜まってしまい、詰まりや悪臭の原因になります。また、逆に勾配をつけすぎると、水だけ先に流れて汚物が残ってしまうことも。そこで、管の太さ(管径)ごとに適切な「最小勾配」が決められています。

その他の管径に対する最小勾配は以下の通りです。(全て暗記)

管径最小勾配
65[mm]以下1/50
75、100[mm]1/100
125[mm]1/150
150、200、250、300[mm]1/200

5.伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。
→正しい
排水立て管と排水横主管の接続部は配管の取り回しに応じて大曲がりベンドを使用し、排水がスムーズに流れるように接続します。

ベンド
出典:クボタケミックス

解説動画

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