ビル管理士 2020年(R2年) 問127　 過去問の解説【給水及び排水の管理】

問題

排水の水質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

回答と解説動画

正解は（2）

１．透視度は、BODと相関を示すことが多く、汚水処理の進行状況を推定する指標として用いられる。
→正しい
透視度は水の濁り具合を示す指標であり、BOD（生物化学的酸素要求量）と相関することがあります。簡易的に処理の進行状況を推定する目安になります。

BODとは、水中の有機物を分解するために微生物が消費する酸素の量を表す指標で、水質汚濁の程度を示す重要な指標の一つです。BODが高いほど、水中の有機物が多く、水質が悪いことを意味します。

２．CODは、主として水中の有機物質が好気性微生物によって分解される際に消費される酸素量を表したものである。
→不適当
COD（化学的酸素要求量）は、有機物を酸化剤によって化学的に分解したときに消費される酸素量を表す指標です。微生物による分解を表すのはBODです。

３．MLSSは、ばっ気槽混合液浮遊物質のことで、活性汚泥中の微生物量の指標の一つである。
→正しい
MLSSは、ばっ気槽内にある浮遊物質の濃度であり、活性汚泥中の微生物量を示す重要な管理指標の一つです。

４．残留塩素は、水中に存在する遊離型及び結合型の有効塩素をいい、消毒効果の指標として用いられる。
→正しい
残留塩素は、消毒に用いた塩素のうち、水中に残っている有効な塩素分を指し、消毒の効果や継続性を判断する指標として用いられます。

５．リン化合物は、閉鎖性水域における富栄養化の原因物質の一つである。
→正しい
窒素やリンは、植物プランクトンなどの増殖を促進し、水質悪化（富栄養化）の原因になります。特に閉鎖性水域では水の循環がが少ないため、影響が現れやすいです。

富栄養化とは、水中の窒素やリンなどの栄養分が過剰に増えることで、藻類や水草が異常に繁殖してしまう現象です。これが起こると、水が濁ったり悪臭が発生するため水質が悪くなります。

解説動画