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製造所等における共通の基準【危険物乙4テキスト】

2024年11月24日

ここでは製造所等に共通する「危険物の取り扱い」「危険物の貯蔵」「標識・掲示板」の基準について解説をします。

ヘタ・レイ
ヘタ・レイ

かなりボリュームがありますが、「施設内では火気を使用してはいけない」など常識的に考えればわかるものもあるので、とりあえず最後までテキストを読んで練習問題を解いてみてください。

危険物の取扱い基準

危険物の取り扱いに関して、製造所等に共通する基準は以下の通りです。

  • 製造所等では、許可・届出された数量を超える危険物、または届出された品名以外の危険物貯蔵したり、取り扱わない。
  • 製造所等ではみだりに火気を使用してはいけない。
  • 製造所等には係員以外の者をみだりに出入りさせない。
  • 製造所等内は常に整理・清掃を行い、不要な物を置かない。
  • 製造所等では、貯留設備や油分離装置に溜まった危険物を随時処理する。
  • 危険物の性質に応じて、遮光や換気を行う。
  • 危険物の性質に応じた適正な温度や湿度、圧力を保つために、温度計・湿度計・圧力計などの計器を監視する。
  • 危険物のくずやかす等は、1日に1回以上、危険物の性質に応じた処理方法で廃棄する。
  • 製造所等内の設備、器具、容器などを修理する場合、対象に危険物が残存または残存しているおそれがある場合、安全な場所で危険物を完全に除去してから修理を行う。
  • 危険物を保護液の中で保存する場合、保護液から危険物が露出しないように保存する。
  • 可燃性の液体や蒸気などが滞留するおそれのある場所では、火花を発する機械器具などを使用しない。

危険物の貯蔵の基準

次に、危険物の貯蔵に関する基準について解説します。

危険物以外の物品貯蔵禁止

原則、危険物以外の物品を貯蔵してはいけません。

関係無い物品があると、発火や火災発生時に延焼拡大の原因となるためです。

ただし、以下のケースに該当していれば、この基準は適用されません。

①屋内貯蔵所、屋外貯蔵所において、危険物とそれ以外の物品をそれぞれまとめて貯蔵し、相互に1m以上の間隔をおいて貯蔵する場合。

②屋外タンク、屋内タンク、移動タンク、地下タンク貯蔵所において、危険物とそれ以外の物品をそれぞれ貯蔵する場合。

ヘタ・レイ
ヘタ・レイ

それぞれが完全に分けて貯蔵されていればOKってことですね!

類を異にする危険物の貯蔵禁止

原則、類が異なる危険物は、同一の貯蔵所で貯蔵してはいけません。

同時に貯蔵した場合、それぞれの危険物同士が化学反応を起こし、重大な事故につながる可能性があるからです。

ただし、以下のケースに該当していれば、この基準は適用されません。

①それぞれの危険物を耐火構造の隔壁で完全に区分して貯蔵する場合。

②屋内貯蔵所、屋外貯蔵所において、類を異にする一定の危険物を、相互に1m以上の間隔を保った状態で貯蔵する場合。

同時貯蔵が許される危険物の組み合わせ(屋内・奥が貯蔵所限定)

  • 第1類(アルカリ金属過酸化物とその含有品を除く)と第5類
  • 第1類と第6類
  • 第2類と自然発火性物品
  • 第2類(引火性固体)と第4類
  • 第4類(有機過酸化物とその含有品)と第5類(有機過酸化物とその含有品)
ヘタ・レイ
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同時貯蔵可能な危険物の組み合わせは、かなり細かい知識なので正確に覚える必要はないかも。
とりあえず屋内貯蔵所と屋外貯蔵所では、1m以上の間隔を保てば類を異にする危険物の同時貯蔵が可能になる場合があるとだけ覚えておきましょう!

その他の貯蔵に関する基準

  • 屋内貯蔵所では、容器に収納して貯蔵する危険物の温度が55℃を超えないようにする。
  • 屋内貯蔵所と屋外貯蔵所では、危険物の容器積み重ねられる高さは3m以下にする。
  • 屋外貯蔵所では、危険物の容器を架台で貯蔵する場合の高さは6m以下にする。

製造所等に掲げる標識の基準

製造所等に掲げる標識には、色やサイズに決まりがあります。

上記は給油取扱所の場合の標識です。

標識の色は全体を白地にして、文字は黒で描きます。サイズは、長さ0.6m以上、0.3m以上にします。

なお、移動タンク貯蔵所だけは、下図のような標識を車両の前後の見やすい位置に取り付ける決まりになっています。

こちらの標識は、全体を黒地にして、文字は黄色(反射塗料)で描きます。サイズは、縦横ともに0.3m以上~0.4m以下にします。

製造所等に掲げる掲示板

製造所等に掲げる掲示板には、以下のような情報を記載します。

  1. 危険物の種別
  2. 危険物の品名
  3. 貯蔵または取扱う危険物の最大数量
  4. 指定数量の倍数
  5. 危険物保安監督者の氏名

掲示板も標識と同じで、色は全体を白地にして、文字は黒で描きます。サイズは、長さ0.6m以上、0.3m以上にします。

危険物の性質に応じた注意事項

製造所等では、危険物の性質に応じた注意事項を掲示しなくてはいけません。

注意事項も標識と同じで、サイズは長さ0.6m以上、0.3m以上となっており、彩色は「火気厳禁」と「火気注意」を赤地に白文字、「禁水」を青地に白文字とします。

火気厳禁第2類:引火性固体
第3類:自然発火性物品など
第4類:すべて
第5類:すべて
火気注意第2類:引火性固体以外
禁水第1類:アルカリ金属の過酸化物
第3類:禁水性物品など

なお、給油取扱所のみ「給油中エンジン停止」という表記を、オレンジの下地に黒文字で掲げます。

プロフィール
ヘタ・レイ

ビルメンYouTuberのヘタ・レイ。
保有資格:電験三種、ビル管理士、行政書士、宅建士、電工一種、危険物乙4、消防設備士、2級ボイラー技士、2種冷凍機械、日商簿記2級、FP2級など。
これまでの経験と保有資格を活かしてオリジナル問題を作成しています。
ビルメン情報ブログもよろしくお願いします。