屋外タンク貯蔵所の技術基準【危険物乙4テキスト】
屋外に設置するタンクで、指定数量以上の危険物を貯蔵、取り扱う施設のことを屋外タンク貯蔵所といいます。
ここでは屋外タンク貯蔵所に求められる設備の基準について解説します。
ヘタ・レイ
製造所の技術基準を学習していない方は、先に下の記事を終わらせてから屋外タンク貯蔵所の勉強に入りましょう。
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屋外タンク貯蔵所に求められる技術基準
屋外タンク貯蔵所の技術基準は以下の通りです。
- 保安距離:必要
- 保有空地:必要(指定数量500倍以下で3m以上、指定数量500倍超えで5~15m以上)
- 屋外タンク貯蔵所には、見やすい箇所に屋外タンク貯蔵所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設ける。
- 屋外貯蔵タンクは、原則として厚さ3.2mm以上の鋼板で造る。
- 屋外貯蔵タンクの外面には、錆止め塗装をする。
- 屋外貯蔵タンクは、地震及び風圧に耐えることができる構造とするとともに、支柱は鉄筋コンクリート造などと同等以上の耐火性能を有するものにする。
- 屋外貯蔵タンクのうち、圧力タンク以外のタンクにあっては通気管を設け、圧力タンクにあっては安全装置をそれぞれ設ける。
- 液体の危険物を貯蔵する屋外貯蔵タンクには、危険物の量を自動的に表示する装置を設ける。
- ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物の屋外貯蔵タンクの注入口付近には、静電気を有効に除去するための接地電極を設ける。
- 液体危険物(二硫化炭素を除く)を貯蔵する屋外貯蔵タンクの周囲には、危険物が漏れた場合に外部への流出防止のため防油堤を設ける。
- 防油堤の高さは0.5m以上にする。
- 防油堤には、内部に水(雨水など)が溜まった場合に排水するための水抜口を設け、その水抜口は通常は閉鎖しておく。
- 防油堤の容量は、タンクの容量の110%以上にする。ただし、同一の防油堤の中にタンクが2基以上ある場合は、容量が一番多いタンクの110%以上とする。
- 高さが1mを超える防油堤には、30mごとに堤内に出入りするための階段を設ける。
- 指定数量の倍数が10以上の屋外タンク貯蔵所には避雷設備を設ける。
敷地内距離
引火点を有する液体の危険物を貯蔵・取り扱う屋外タンク貯蔵所では、敷地の境界線から貯蔵タンクの側板までの聞に、一定の距離を設けなければいけません。
これを敷地内距離といい、隣接敷地への火災の延焼防止を目的としています。
保安距離は隣接する敷地に存在する建築物との距離なのに対して、敷地内距離は屋外タンク貯蔵所の土地の境界線との距離である点をセットで覚えてください。
ヘタ・レイ
製造所等の中で、敷地内距離を確保しなければならない施設は屋外タンク貯蔵所のみです。
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