電離放射線とは、物質を通過する際に、その物質の原子から電子を弾き飛ばす作用(電離作用)を持つ高いエネルギーの放射線の総称です。医療、産業、研究で広く利用される一方、細胞のDNAなどを傷つける可能性があり、身体への影響(がん、急性障害)が出る可能性があります。
ビル管理士試験においては、建築物の環境衛生の分野において、放射線の種類とその特徴、人体に与える影響などが出題されますので、ここで知識を整理しましょう。
放射線の種類
ビル管理士試験の対策としては、以下の分類と特徴を押さえておくのが一般的です。
| 放射線の種類 | 分類 | 遮蔽材 | 特徴 |
| α線 | 粒子線 | 紙1枚や薄いプラスチック、空気数cm | 透過力が非常に弱く、皮膚表面も通過できない |
| β線 | 粒子線 | アルミニウム板やアクリル板(1~2mm程度) | α線より透過力は強いが、厚い金属や鉛板は不要 |
| γ線・X線 | 電磁波 | 鉛板や鉄板などの重くて密度の高い材料 | 重い金属で遮蔽が必要 |
| 中性子線 | 粒子線 | 水槽や厚いコンクリート | 水素を含む物質で遮蔽が可能 |
透過力はα線が一番弱く、γ線やX線、中性子線などは強いです。
上記の表にはありませんが、電離作用の強さの大小関係は、α線が一番強く、γ線やX線、中性子線は弱いです。
イメージにすると以下のような感じです。

ヘタ・レイ中性子線についてはほとんど出題されないので、残りのα線などの特徴を重点的に覚えておきましょう。
電離放射線による健康影響の分類
放射線が体に与える影響は、その現れ方によっていくつかのカテゴリに分類されます。
以下は環境省のサイトに掲載されている、放射線影響の分類をまとめた表です。
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表を見ればわかると思いますが、まず「身体的影響」と「遺伝的影響」の2つのカテゴリがあります。
さらに、症状が現れるまでの潜伏期間でもカテゴリ分けされており、「早期影響」と「晩発影響」の2つのカテゴリがあります。
そして、症状が発生するかどうかの確率的な部分でもカテゴリ分けがあり、それが「確定的影響」と「確率的影響」に分けられています。
- 身体的影響:放射線を浴びた本人に現れる影響。
- 遺伝的影響:放射線を浴びた人の子孫に現れる影響。
- 早期影響:被ばく後、数週以内に現れる影響(脱毛、皮膚紅斑など)。
- 晩発影響:被ばく後、数ヶ月〜数年後に現れる影響(がん、白内障など)。
- 確定的影響:しきい値があり、それを超えると全員に発症する影響。
- 確率的影響:しきい値がなく、線量に応じて発症確率が上がる影響。
※しきい値とは、ある現象や変化が起こる境界となる基準値のこと。
以下は、ビル管試験用に整理した表です。

ヘタ・レイ遺伝的影響は出題されたことが無いのでスルーでも良いと思います。
しかし、該当部分は確率的影響には含まれていますので、どちらにせよそれぞれの症状は覚える必要はあります。
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