販売取扱所の技術基準【危険物乙4テキスト】
店舗において、容器入りのまま販売するために危険物を取扱う施設のことを販売取扱所といいます。
なお、販売取扱所は指定数量の倍数により、第1種と第2種に分けられます。
ここではそれぞれの販売取扱所に求められる構造や設備の基準について解説します。
ヘタ・レイ
販売取扱所の具体例としては、塗料店、化学薬品店、農薬販売店などが挙げられます。
第1種・第2種販売取扱所共通の技術基準
まずは、第1種・第2種共通の基準について紹介します。
- 保安距離:不要
- 保有空地:不要
- 販売取扱所は、建築物の1階に設置する。
- 見やすい箇所に第1(第2)種販売取扱所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設ける。
- 販売取扱所の窓又は出入口にガラスを用いる場合は、網入ガラスとする。
- 販売取扱所の電気設備で、可燃性ガス等が滞留する場所に設置する機器は防爆構造にする。
配合室
原則、販売取扱所では危険物の配合や詰め替えを行うことができませんが、配合室に限っては危険物の配合や詰め替えを行うことが出来ます。
配合室の基準は以下の通りです。(第1種、第2種販売取扱所共通)
- 床面積は、6㎡以上、10㎡以下とする。
- 壁で区画する。
- 床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、貯留設備を設ける。
- 出入口には、随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備を設ける。
- 出入口の敷居の高さは、床面から0.1m以上とする。
- 内部に滞留した可燃性の蒸気又は可燃性の微粉を屋根上に排出する設備を設ける。
第1種販売取扱所の技術基準
指定数量の倍数が15以下の場合、第1種販売取扱所といいます。
第1種販売取扱所の主な技術上の基準は以下の通りです。
- 建築物内の店舗部分の壁は準耐火構造にする。ただし、店舗部分と、その他の部分との隔壁は、耐火構造としなければならない。
- 建築物内の店舗部分の「はり」は不燃材料で造るとともに、天井を設ける場合は不燃材料で造る。
- 上階がある場合は上階の床を耐火構造とし、上階のない場合は屋根を耐火構造か不燃材料で造る。
- 建築物内の店舗部分の窓及び出入口には、防火設備を設ける。
ヘタ・レイ
「建築物内の店舗部分」という表現だとわかりにくいですよね。
販売取扱所では、店舗とその他の部分(配合室等)との扱いが違うため、間にある壁の防火性能を高くしなければいけません。
※下図参照
第2種販売取扱所の特徴
指定数量の倍数が15を超え40以下の場合、第2種販売取扱所といいます。
第2種販売取扱所の主な技術上の基準は以下の通りです。
- 建築物内の店舗部分の壁、柱、床及びはりは耐火構造にする。
- 天井を設ける場合は不燃材料で造る。
- 上階がある場合は上階の床を耐火構造とし、上階のない場合は屋根を耐火構造で造る。
- 窓は、延焼のおそれのない部分に限り設けることができる。また、窓を設けた場合は防火設備を設けなければならない。
- 出入口には、防火設備を設ける。ただし、延焼のおそれのある壁又はその部分に設けられる出入口には、随時開けることができる自動閉鎖の特定防火設備を設けなければならない。
ヘタ・レイ
第2種のほうが危険物の指定数量の倍数の上限が大きいため、基準が厳いです。
例えば第1種販売取扱所では、店舗部分の壁を不燃材料で造ることができましたが、第2種販売取扱所では店舗部分の壁も耐火構造で造る必要があります。
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