ビル管理士 2020年(R2年) 問115  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の揺れ、地盤の不等(不同)沈下、配管の振動等による変位の吸収のために、可とう継手を配管に取り付ける。
2.高置水槽方式の揚水管は、水柱分離によるウォータハンマ防止のため、屋上での横引きを長くする。
3.合成樹脂管のクリープ劣化とは、合成樹脂に熱応力が長時間継続してかかる場合、材料変形が時間とともに進んでいく状態をいう。
4.吸排気弁は、給水管内の空気の排出のためと、給水管内が負圧になった場合の逆流防止のために設置する。
5.さや管ヘッダ工法とは、集合住宅の住戸内などで、ヘッダから各器具にそれぞれ単独に配管する工法である。

回答と解説動画

正解は(2)

1.建築物の揺れ、地盤の不等(不同)沈下、配管の振動等による変位の吸収のために、可とう継手を配管に取り付ける。
→正しい
可とう継手は、変位や振動を吸収するために配管に取り付けます。

2.高置水槽方式の揚水管は、水柱分離によるウォータハンマ防止のため、屋上での横引きを長くする。
→不適当
高置水槽方式では、屋上の横引き管はできるだけ短くするのが基本です。
これは、ポンプが止まったときに配管内の水の動きが急に変わり、途中で水の流れが切れてしまう(水柱分離)ことがあるからです。
とくに横引き管が長いと、水が慣性で前に進もうとする一方で、縦の配管では水が落ちようとするため、配管の途中ですき間(負圧)ができやすくなります
そのすき間が埋まるときに水が勢いよくぶつかり、「ゴンッ」という音とともにウォータハンマが発生するのです。
そのため、横引き管は短くして、水が一気に動いても流れが安定するようにしておく必要があります。

3.合成樹脂管のクリープ劣化とは、合成樹脂に熱応力が長時間継続してかかる場合、材料変形が時間とともに進んでいく状態をいう。
→正しい
合成樹脂管のクリープ劣化とは、合成樹脂に熱応力が長時間継続してかかる場合、材料変形が時間とともに進んでいく状態を指します。

4.吸排気弁は、給水管内の空気の排出のためと、給水管内が負圧になった場合の逆流防止のために設置する。
→正しい
吸排気弁は、給水管内の空気排出と、負圧時の逆流防止のために設置します。

5.さや管ヘッダ工法とは、集合住宅の住戸内などで、ヘッダから各器具にそれぞれ単独に配管する工法である。
→正しい
さや管ヘッダ工法は、ヘッダから各器具へ単独に配管する工法です。この工法は、給水や給湯設備において、ヘッダと呼ばれる分岐点から各水栓や機器へ、それぞれ独立した管で配管を行います。
これにより、分岐箇所の削減、漏水リスクの低減、水圧の安定化などのメリットがあります。

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