問題
建築物の防火に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 避難安全検証法や耐火性能検証法は、建築基準法令に定められている性能規定である。 | ||
2. | 火災荷重とは、建物内の可燃物量を木材換算した単位床面積当たりの重量のことである。 | ||
3. | 火勢は、窓などの開口条件によらず、建物内部の可燃物量が多いほど激しくなる。 | ||
4. | 避難経路となる廊下や階段に煙が侵入しないよう、防排煙対策が必要である。 | ||
5. | 特定防火設備とは、シャッタや防火扉等、火災を閉じ込めることができる設備のことである。 |

回答と解説動画
正解は(3)
1.避難安全検証法や耐火性能検証法は、建築基準法令に定められている性能規定である。
→正しい
避難安全検証法や耐火性能検証法は、建築基準法令に基づく性能規定の一つです。従来の仕様規定に加えて、性能規定として法令で定められています。
- 避難安全検証法:火災時に建物内にいる人が安全に避難できるかどうかを検証する手法です。従来の避難規定では対応が難しい建物に対して、より詳細な検証を行うことで、安全な避難経路を確保することを目指します。
- 耐火性能検証法:火災が発生した場合に、建物が一定時間倒壊しないように、耐火性能を検証する手法です。これにより、建物の特性に応じた合理的な耐火設計が可能になります。
2.火災荷重とは、建物内の可燃物量を木材換算した単位床面積当たりの重量のことである。
→正しい
火災荷重は、建物内の可燃物量を木材に換算し、単位床面積あたりの重量で表します。
3.火勢は、窓などの開口条件によらず、建物内部の可燃物量が多いほど激しくなる。
→不適当
火勢は可燃物量だけでなく、窓などの開口部条件(通風や酸素供給)にも大きく影響されます。開口部が多いと酸素供給が増え、火勢が激しくなります。したがって、「窓などの開口条件によらず」という記述は誤りです。
4.避難経路となる廊下や階段に煙が侵入しないよう、防排煙対策が必要である。
→正しい
避難経路となる廊下や階段に煙が侵入しないよう、防排煙対策を講じることは非常に重要です。
5.特定防火設備とは、シャッタや防火扉等、火災を閉じ込めることができる設備のことである。
→正しい
特定防火設備とは、防火設備のうち、火災時に1時間の遮炎性能を有する(火災を閉じ込める)ものとして国土交通大臣の認定を受けた設備をいう。主に、防火区画の開口部(防火戸・シャッターなど)に設置され、火炎や煙の拡大を防止する。
一方、防火設備は、火災時に20分間程度の遮炎性能を有し、延焼を防止するために建築物の開口部などに設けられる。
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