ビル管理士 2021年(R3年) 問112  過去問の解説【給水及び排水の管理】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.小学校における1日当たりの設計給水量は、70~100L/人である。
2.受水槽の有効容量は、一般に1日使用水量の1/2程度である。
3.一般水栓の最低必要水圧は、30kPaである。
4.給水配管の管径は、管内の流速が2.0m/s以下となるように選定する。
5.高層ホテルの上限給水圧力は、0.7MPaである。

回答と解説動画

正解は(5)

1.小学校における1日当たりの設計給水量は、70~100L/人である。
→正しい
小学校の設計給水量は、「70~100L/人」とされていることが多いです。

その他の施設については以下のとおりです。表の数値を覚えましょう。

建物用途単位給水量(1日あたり)
戸建て住宅300~400ℓ/人
集合住宅200~350ℓ/人
官公庁・事務所60~100ℓ/人
40~60ℓ/人(節水器具の場合)
小学校・中学校・高等学校70~100ℓ/人
総合病院1,500~3,500ℓ/床
30~60ℓ/㎡
ホテル客室350~450ℓ/床
デパート・スーパー15~30ℓ/㎡
飲食店55~130ℓ/客

2.受水槽の有効容量は、一般に1日使用水量の1/2程度である。
→正しい
受水槽の有効容量は、計画一日使用水量の1/2程度とされるのが一般的です。なお、高置水槽の有効容量は、通常1日最大使用水量の1/10程度となっています。
これは、水槽内の水が滞留することによる水質悪化を防ぐためです。
例えば、水を1日に100トン使用する施設であれば、高置水槽の有効容量は10トン、受水槽は50トンとしなければいけません。

水槽の有効容量とは、水槽内の最低水位から最高水位までの間の水量を指します。つまり、実際に使用できる水の量のことです。

有効容量
出典:弘前市

3.一般水栓の最低必要水圧は、30kPaである。
→正しい
一般水栓の最低必要水圧は、30kPa(0.03MPa)が基準となっている場合が多いです。

その他の器具については以下のとおりです。表の数値を覚えましょう。

器具名必要水圧(kPa)
大便器洗浄弁70
小便器洗浄弁70
シャワー70
一般水栓30
ガス瞬間湯沸器40

4.給水配管の管径は、管内の流速が2.0m/s以下となるように選定する。
→正しい
流速が速すぎると騒音や水撃(水の衝撃)で配管が傷みやすくなるため、2.0m/s以下にするのが一般的です。
なお、適正な流速は、一般的に0.9~1.2m/sとされています。

5.高層ホテルの上限給水圧力は、0.7MPaである。
→不適当
高層ホテルなどの上限給水圧力は0.3MPaが望ましいとされています。
これは、水圧が過大になると、配管や継手に大きな負担がかかり、ウォーターハンマー(配管内の衝撃音や振動)、配管の破損、漏水などのトラブルが発生しやすくなるからです。
そのため、適正な水圧を保つために、高層階と低層階などに分けて給水系統を区切る「ゾーニング」が必要になります。
なお、住宅やホテルなどの生活空間では、0.3MPa以下が望ましいとされていますが、事務所や工場では、ゾーニングを行った場合の給水の上限水圧は0.5MPaが上限とされています。

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