ビル管理士 2021年(R3年) 問111  過去問の解説【給水及び排水の管理】

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問題

給水設備の汚染に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧により、水受け容器にいったん吐水された水が給水管内に逆流することである。
2.クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管などで直接接続することである。
3.洗面器における吐水口空間は、給水栓の吐水口と洗面器のあふれ縁との垂直距離である。
4.大便器の洗浄弁の下流側には、一般に圧力式バキュームブレーカを設置する。
5.逆サイホン作用の防止対策の基本は、吐水口空間を設けることである。

回答と解説動画

正解は(4)

1.逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧により、水受け容器にいったん吐水された水が給水管内に逆流することである。
→正しい
逆サイホン作用は、給水管内に負圧が生じた際に、水受け容器に吐水された水が給水管内に逆流する現象です。

2.クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管などで直接接続することである。
→正しい
クロスコネクションとは、飲み水として使う配管と、そうでない配管(井戸水、工業用水など)が直接つながってしまうことを指します。
こうなると、万が一逆流が起きたときに、汚れた水が飲み水側に混ざってしまう危険があります。

出典:山形市上下水道局

3.洗面器における吐水口空間は、給水栓の吐水口と洗面器のあふれ縁との垂直距離である。
→正しい
洗面器における吐水口空間とは、水栓の先端と洗面器の「あふれ縁」(満水時の水面)との垂直距離を指します。
この距離が適切に確保されていないと、排水が逆流した際に給水配管内に汚れた水が混入するおそれがあり、飲料水の衛生確保の観点から非常に重要な設計ポイントとなります。

出典:前澤化成工業

4.大便器の洗浄弁の下流側には、一般に圧力式バキュームブレーカを設置する。
→不適当
大便器の洗浄弁には、逆流を防ぐ目的で「大気圧式バキュームブレーカ」が使われます。
これは、洗浄中などに給水管内で一時的に負圧(吸い込みの力)が発生した場合
に、自動で空気を取り込んで圧力を戻すしくみです。これによって、汚れた水が給水管へ逆流するのを防止します。

バキュームブレーカには主に2種類あります。

  • 圧力式バキュームブレーカ:常時水圧がかかる場所に使用
  • 大気圧式バキュームブレーカ:水圧が一時的にしかかからない場所に使用

大便器の洗浄弁は、水が流れるのは一瞬だけで、常に水圧がかかっているわけではないため、大気圧式バキュームブレーカを使うのが正しい選定です。

5.逆サイホン作用の防止対策の基本は、吐水口空間を設けることである。
→正しい
逆サイホン作用の防止には、吐水口空間を確保することが基本です。

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