ビル管理士 2021年(R3年) 問98  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.工事監理は、一般に設計者が、建築主の依頼を受けて代行する。
2.一般競争入札は、工事内容や入札条件等を公示して行われる。
3.金属工事は、躯体工事に分類される。
4.建設業法では、発注者の書面による承諾のない限り、一括下請負は禁止されている。
5.設備工事は、建築工事と別枠で契約される場合が多い。

回答と解説動画

正解は(3)

1.工事監理は、一般に設計者が、建築主の依頼を受けて代行する。
→正しい
工事監理は設計者が建築主の依頼を受けて行うのが一般的です。

工事監理とは、建築士が設計図書と工事現場を照合し、工事が設計図書通りに実施されているかを確認する業務です。
具体的には、工事の進捗状況や品質をチェックし、設計図書との差異があれば、施工者に是正を指示します。

2.一般競争入札は、工事内容や入札条件等を公示して行われる。
→正しい
一般競争入札とは、公共工事の発注方式の一つで、公告によって不特定多数の業者に競争入札への参加を呼びかけ、最も有利な条件を提示した業者と契約を結ぶ方式です。入札参加資格のある業者であれば、規模や実績に関わらず参加できる可能性があります。
請負契約の方法には、指名競争入札、随意契約などもあります。

  • 指名競争入札:発注者が事前に選定した業者のみを参加資格者として行う競争入札のこと
  • 随意契約:国や地方公共団体などが、競争入札によらずに、任意で契約相手を選んで契約を結ぶこと

3.金属工事は、躯体工事に分類される。
→不適当
金属工事は仕上工事に分類され、躯体工事には含まれません。以下は各工事の分類です。

  1. 仮設工事:工事を安全かつ円滑に進めるための一時的な設備や作業全般。
    • 仮設道路
    • 仮設電気
    • 仮設水道
  2. 土工・地業工事:建物の基礎となる地盤や基礎構造をつくる工事。
    • 掘削
    • 埋戻し
    • 地盤改良
    • 杭打ち
    • 基礎工事
  3. 躯体工事:建物の骨組み・構造体をつくる工事。
    • 鉄筋工事
    • 型枠工事
    • コンクリート打設
    • 鉄骨工事
    • 木工事
  4. 仕上げ工事:建物の外観や内部を仕上げる工事。
    • 内装工事
    • 外装工事
    • 建具工事
    • 金属工事
    • ガラス工事
    • 左官工事
    • 防水工事
    • 屋根工事

4.建設業法では、発注者の書面による承諾のない限り、一括下請負は禁止されている。
→正しい
発注者の書面による承諾がない限り一括下請負は禁止されています。

一括下請負とは、建設工事の元請業者が、受注した工事の全部または主要な部分を、自ら施工せずに、他の業者に一括して請け負わせる行為を指します。

5.設備工事は、建築工事と別枠で契約される場合が多い。
→正しい
設備工事は建築工事と分離して契約されることが一般的です。
たとえば、「建築工事」「電気工事」「機械設備工事」などを分離発注し、建築本体はゼネコン、電気設備は電気工事会社、空調や給排水は設備会社と、それぞれ別々に契約します。

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