問題
防火ダンパに関する次の記述の( )内に入る値の組合せとして、最も適当なものはどれか。
温度ヒューズ型の溶解温度は、一般換気用( ア )、厨房排気用( イ )、排煙用( ウ )である。
ア | イ | ウ | |
1. | 60℃ | 120℃ | 280℃ |
2. | 60℃ | 130℃ | 270℃ |
3. | 72℃ | 120℃ | 270℃ |
4. | 72℃ | 120℃ | 280℃ |
5. | 72℃ | 130℃ | 270℃ |
回答と解説動画
正解は(4)
4.72℃ 120℃ 280℃の組み合わせが正解
防火ダンパとは?
防火ダンパ(Fire Damper)は、空調・換気用のダクト(通風管)内に設置される防火設備です。
主な目的は、火災時に火炎や煙がダクト内を通じて他の部屋に広がるのを防ぐことです。
なぜ必要か?
ビル内では、多くの部屋が空調ダクトや排気ダクトでつながっています。
火災が発生すると、ダクトを通じて火や煙が他の部屋に拡散するおそれがあります。
このリスクを防ぐために、ダクトの区画貫通部に防火ダンパを設置します。
作動のしくみ
防火ダンパにはいくつか種類があります。
- 温度ヒューズ型
→ 一定温度(72℃、120℃、280℃など)に達するとヒューズ(金属が溶ける)で自動的に作動し、ダンパ(遮断板)を閉じるタイプ。 - 電動(モーター)式や手動復帰式などもありますが、基本は火災時に自動で閉じるものが多く使われます。
温度ヒューズ型防火ダンパにおけるヒューズの溶解温度について
- 一般換気用(72℃)
空調用のダクトに設置される防火ダンパでは、火災時に比較的早く作動するように約72℃でヒューズが溶けて閉鎖するよう設定されています。これは、人がいる居室などの空調で、火災初期にすばやくダンパが作動することを目的としています。 - 厨房排気用(120℃)
厨房内は調理によって日常的に高温になるため、通常使用時に作動しないようやや高めの120℃に設定されています。 - 排煙用(280℃)
排煙ダクトには、火災時に排煙機能を維持する必要があるため、他の防火ダンパよりも高温で作動するように設計されています。280℃で作動するのは、ある程度の火災温度になってから閉鎖し、必要な排煙時間を確保するためです。
下の写真は防火ダンパと温度ヒューズです。この他にも色々な形状があります。
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出典:三功工業所

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