問題
図は、蒸気圧縮冷凍サイクルにおける冷媒の標準的な状態変化をモリエル線図上に表したものである。圧縮機の出口直後に相当する図中の状態点として、最も適当なものは次のうちどれか。

1. | ア | ||
2. | イ | ||
3. | ウ | ||
4. | エ | ||
5. | オ |
回答と解説動画
正解は(1)
解答:1. ア
蒸気圧縮冷凍サイクルの基本的な流れ
蒸気圧縮冷凍サイクルは、以下の4つの機器を循環する基本的なサイクルです。
各機器での冷媒の状態変化を詳しく見ていきましょう。
1. 圧縮機(オ → ア)
低圧の冷媒ガスを高圧に圧縮します。外部から仕事が加えられるため、圧力と比エンタルピーの両方が上昇します。
モリエル線図上では右上方向に移動し、最も圧力と比エンタルピーが高い「ア」が圧縮機出口に相当します。
2. 凝縮器(ア → イ → ウ)
高温高圧の冷媒ガスが外気や冷却水に熱を放出して液化します。圧力は一定のまま、比エンタルピーが低下します。線図上では水平左向きに移動し、「ア」から「イ」を経て「ウ」まで変化します。
3. 膨張弁(ウ → エ)
高圧の液冷媒を急激に減圧します。この過程は等エンタルピー過程で、比エンタルピーは一定のまま圧力が低下します。線図上では垂直下向きに移動し、「ウ」から「エ」に変化します。
4. 蒸発器(エ → オ)
低圧の冷媒液が周囲から熱を吸収して蒸発します。圧力は一定のまま、比エンタルピーが(周囲からの熱を吸収して)上昇します。この過程で冷房効果が得られます。線図上では水平右向きに移動し、「エ」から「オ」に変化します。
図中の各点の特徴まとめ
- ア:高圧・高エンタルピー(圧縮機出口の過熱蒸気)
- イ:高圧・中エンタルピー(凝縮器途中)
- ウ:高圧・低エンタルピー(凝縮器出口の液体)
- エ:低圧・低エンタルピー(膨張弁出口の湿り蒸気)
- オ:低圧・中エンタルピー(蒸発器出口、圧縮機入口の飽和蒸気)
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