問題
電離放射線による健康影響のうち、確定的影響かつ晚発影響として最も適当なものは次のうちどれか。
1. | 不妊 | ||
2. | 染色体異常 | ||
3. | 白血病 | ||
4. | 白内障 | ||
5. | 甲状腺がん |
回答と解説動画
正解は(4)
1.不妊
→不適当(確定的影響・早期影響)
不妊は放射線による確定的影響の代表例ですが、被ばく後比較的短期間で現れる早期影響です。晩発影響ではありません。
2.染色体異常
→不適当(確率的影響・遺伝的影響)
染色体異常は確率的影響や遺伝的影響(晩発影響)に分類されます。しきい値がなく、発症確率が被ばく量に比例します。確定的影響ではありません。
3.白血病
→不適当(確率的影響・晩発影響)
白血病は晩発影響ですが、確率的影響です。しきい値がなく、被ばく量に比例して発症確率が高まります。
4.白内障
→正しい(確定的影響・晩発影響)
白内障は、放射線が目の水晶体に一定量以上当たることで発症する確定的影響です。発症まで数か月~数年かかることが多く、晩発影響の代表例です。
5.甲状腺がん
→不適当(確率的影響・晩発影響)
甲状腺がんも晩発影響ですが、確率的影響です。しきい値がなく、被ばく量が多いほど発症リスクが高まります。
まとめ
確定的影響
- 一定以上の線量(しきい値)を超えて被ばくした場合に必ず発生する影響です。
- 被ばく線量が多いほど症状が重くなります。
- 代表例:白内障、不妊、脱毛、皮膚障害、白血球減少など。
確率的影響
- しきい値がなく、どんなに少量でも被ばくすれば発生する可能性がある影響です。
- 被ばく線量が多いほど発生する確率が高くなりますが、重症度は線量に依存しません。
- 代表例:がん(白血病、甲状腺がんなど)、遺伝的影響(染色体異常など)。
早期影響(急性影響)
- 被ばく後、比較的短期間(数時間~数週間)で現れる影響です。
- 代表例:脱毛、皮膚紅斑、白血球減少、不妊など。
晩発影響
- 被ばく後、数か月~数十年経ってから現れる影響です。
- 代表例:白内障(確定的影響)、がん・白血病・遺伝的影響(確率的影響)など。
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