ビル管理士 2021年(R3年) 問34  過去問の解説【建築物の環境衛生】

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問題

振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.振動レベルの単位はデシベル(dB)である。
2.局所振動による健康障害は冬期に多くみられる。
3.局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢(しょう)神経障害がある。
4.フォークリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる。
5.全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される。

回答と解説動画

正解は(3)

1.振動レベルの単位はデシベル(dB)である
→ 正しい
振動レベルはdB(デシベル)で表します。Hz(ヘルツ)は振動の周波数の単位です。単位の区別はビル管理士試験でよく問われます。

2.局所振動による健康障害は冬期に多くみられる
→ 正しい
レイノー現象(白ろう病)は寒冷刺激で悪化するため、冬季に症状が強く出やすいです。

3.局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢神経障害がある
→ 不適当
レイノー現象は末梢の血流障害(循環障害)による指の蒼白化が特徴です。神経障害ではありません。神経障害はしびれや感覚鈍麻などが主な症状です。

レイノー現象は、手持ち振動工具の長期間使用などによる局所振動が原因で発生する指の末梢循環障害です。
この現象は、手指の血行が悪くなり、寒冷時や作業後に指先が白く変色し、冷えやしびれ、痛みを伴うことが特徴です。
「白ろう病」とも呼ばれ、レイノー現象は冬期に起こりやすいことが知られています。

4.フォークリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる
→ 正しい
全身振動(特に垂直振動)は、胃下垂や内臓機能の低下などの健康障害を引き起こすことがあります。

5.全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される
→ 正しい
全身振動は、鉛直(垂直)振動と水平振動の両方で評価します。

局所振動と全身振動まとめ

項目局所振動全身振動
原因手持ち工具(チェーンソー、削岩機)など車両運転(フォークリフト、バス)など
周波数8~1,000Hz1~90Hz(低周波)
健康影響白ろう病(指の蒼白化)、末梢神経障害、骨・関節障害など                              胃下垂、乗り物酔い、血圧上昇、腰痛、内臓機能障害、自律神経機能失調(車酔い・船酔いなど)、不快感、睡眠障害、胃腸障害、脊柱の異常など
評価方法手指への振動曝露量鉛直・水平振動の両方で測定

解説動画

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