問題
建築物の電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 実効値100Vの交流電圧は、ピーク時の電圧が約140Vである。 |
2. | 受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷の合計値以上とするのが一般的である。 |
3. | 電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招く。 |
4. | 磁束密度は、電流の強さとコイルの巻き数との積に比例する。 |
5. | 建築物の設備機械の動力は、三相誘導電動機を多く利用している。 |
回答と解説動画
正解は(2)
1. 実効値100Vの交流電圧は、ピーク時の電圧が約140Vである。
→ 正しい
交流電圧(正弦波)の実効値が100Vの場合、ピーク値は100V×√2≒141Vです。したがって「約140V」という記述は正しいと言えます。
2. 受変電設備の変圧器容量は、建築物内部の電気設備の負荷の合計値以上とするのが一般的である。
→ 不適当
変圧器容量は、全負荷容量×需要率で決めていきます。需要率は、施設の用途によって異なりますが40~80%程度と幅が広いです。
単純にすべての電気設備の負荷を合計した値(理論最大負荷)よりも、実際の電気設備の使用状況率などを考慮して、無駄なコストを抑え適切な容量を決めるのが一般的です。
3. 電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招く。
→ 正しい
電線の配電距離が長くなると、電圧の低下を招きます。これは、電線に電流が流れる際に、電線自身の抵抗によって電圧が下がる現象(電圧降下)が、配電距離が長くなるにつれて大きくなるためです
4. 磁束密度は、電流の強さとコイルの巻き数との積に比例する。
→ 正しい
磁束密度(B)は、コイルに流す電流(I)と巻き数(N)に比例します(B∝N×I)。
5. 建築物の設備機械の動力は、三相誘導電動機を多く利用している。
→ 正しい
ビルや工場などの設備機械には、効率や信頼性の観点から三相誘導電動機が広く使われています。

電気の問題は頻出ではないのでスルーでも良いですが、設備管理で働いている方は覚えておいたほうがいいかも。
解説動画
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