ビル管理士 2023年(R5年) 問73  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

ダクトとその付属品に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.低圧ダクトの流速範囲は、15m/s以下である。
2.フレキシブル継手は、ダクトと吹出口や消音ボックス等を接続する際に、位置調整のために設けられる。
3.可変風量ユニットの動作形式には、絞り式とバイパス式がある。
4.風量調整ダンパは、モータダンパの場合も、ダンパそのものの構造は手動ダンパと同等である。
5.丸ダクトは、スパイラルダクトに比べて、はぜにより高い強度が得られる。
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回答と解説動画

正解は(5)

1. 低圧ダクトの流速範囲は、15m/s以下である。
→ 正しい
低圧ダクトの流速範囲は15m/s以下と定義されています。

低圧ダクトの流速範囲が15m/s以下と定義されている理由は、圧力損失や騒音・振動などの問題を抑え、空調設備としてバランスの良い運用を実現するためです。

2. フレキシブル継手は、ダクトと吹出口や消音ボックス等を接続する際に、位置調整のために設けられる。
→ 正しい
フレキシブル継手は、ダクトと吹出し口や消音ボックスなどを接続する際に、多少の位置ずれや振動を吸収するために設けられます。(以下の画像のようにダクトの形状が柔軟に変化するため、機器と接続する際の位置調整が容易です)

3. 可変風量ユニットの動作形式には、絞り式とバイパス式がある。
→ 正しい
可変風量(VAV)ユニットには、絞り式(ダンパーで風量調整)とバイパス式(バイパスダンパーで調整)の2方式があります。

バイパスダンパーとは、空調ダクトなどの配管系統で、主流路とは別の「バイパス(迂回路)」に空気やガスを流すために設けられるダンパー(風量調整弁)です。

4. 風量調整ダンパは、モータダンパの場合も、ダンパそのものの構造は手動ダンパと同等である。
→ 正しい
モータダンパも手動ダンパも、羽根の構造自体は同じで、駆動方式だけが異なります。

モータダンパ
出典:クリフ株式会社

モータダンパは、モーターの力で羽根(シャッター)を開閉し、空調制御盤やセンサー、遠隔操作などにより自動で風量を調整できます。手動の「ボリュームダンパ」と違い、現場に行かずに操作できるのが大きな特徴です。

5. 丸ダクトは、スパイラルダクトに比べて、はぜにより高い強度が得られる。
→ 不適当
スパイラルダクトは、鋼板をらせん状(スパイラル状)に巻いて「はぜ」を作ることで、通常の丸ダクトよりも高い強度が得られるのが特徴です。

スパイラルダクトの「はぜ」とは、鋼板を螺旋状に巻き上げてダクトを形成する際に、帯鋼の端を折り曲げて重ね合わせ、互いにかみ合わせることで強度を高める構造部分のことです。(下記画像参照)

出典:末松工業(株)

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