ビル管理士 2023年(R5年) 問34　 過去問の解説【建築物の環境衛生】

問題

騒音とその影響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

ビル管理士試験合格テキスト

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回答と解説動画

正解は（3）

1．騒音性難聴と加齢性難聴は医学的に異なる
→ 正しい
騒音性難聴は長期間の騒音曝露による内耳の有毛細胞の障害が主な原因で、加齢性難聴（老人性難聴）は加齢による蝸牛や聴覚神経の変性が主因です。両者は原因や発症機序が異なります。

2．慢性の騒音曝露(ばくろ)により、徐々に会話音域の聴力低下が進行する
→ 正しい
騒音性難聴は初期に高音域（4,000Hz付近）から始まりますが、騒音曝露が続くと500～2,000Hzの会話音域にも障害が進行します。

3．騒音性難聴は、中耳の伝播(でんぱ)が障害されることによって起こる
→ 不適当
騒音性難聴は主に内耳の有毛細胞が障害される感音難聴であり、中耳の伝音系の障害（伝音難聴）が原因ではありません。

「中耳の伝播」とは、中耳が音の振動を内耳に伝える働きのこと

4．環境騒音に関する基準は、住民の心理的影響や聴取妨害、睡眠妨害等を参考に決められる
→ 正しい
環境騒音の基準は、生活妨害（会話妨害、睡眠障害、不快感など）や住民の心理的影響を重視して設定されています。

5．会話の音声レベルから騒音のレベルを引いた値が20dB以上あれば、十分な了解度が得られる
→ 正しい
会話音声レベルと騒音レベルの差（S/N比）が20dB以上あれば、一般的に十分な会話了解度が得られるとされています。

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