問題
鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。 |
2. | 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。 |
3. | 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。 |
4. | 鋼材は、炭素量が増すと靭性(じんせい)が向上する。 |
5. | 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。 |
回答と解説動画
正解は(4)
1. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。
→ 正しい
鋼材の強度は温度上昇とともに急激に低下し、1,000℃付近ではほぼ強度を失います。
2. 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。
→ 正しい
鉄骨構造の床材としてデッキプレート(鋼製床版)は一般的に使用されます。
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3. 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。
→ 正しい
鉄骨構造では形鋼(かたこう)、平鋼、鋼板など多様な鋼材が用いられます。
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出典:愛知製鋼
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出典:愛知製鋼

出典:愛知製鋼
4. 鋼材は、炭素量が増すと靭性(じんせい)が向上する。
→ 不適当
炭素量が増えると鋼材の硬度や強度は上がりますが、靭性(衝撃に対する粘り強さ)は低下します。
5. 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。
→ 正しい
鉄骨構造は接合方法や構成によりラーメン構造やトラス構造などに分類されます。
※ラーメンはドイツ語の「Rahmen(額縁)」が語源
鉄骨構造の分類
- ラーメン構造
「曲げモーメント」「せん断力」「軸方向力」という三つの主要な応力が同時に部材に生じる、剛接合による四角形フレーム構造であり、設計の自由度が高いところが特徴です。 - トラス構造
トラス構造は、三角形の骨組みを基本単位として構成された構造で、各部材は軸方向力(引張力または圧縮力)のみに抵抗することを前提としています。梁の代わりに使われることも多く、橋や大空間の屋根などに適用されます。
部材の接合はピン接合(ヒンジ接合)が原則とされ、曲げモーメントが発生しないため、構造的に軽くて強いのが特徴です。また、部材数を抑えながら長いスパンを確保できる利点もあります。
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