ビル管理士 2024年(R6年) 問94  過去問の解説【建築物の構造概論】

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問題

鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。
2.鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。
3.鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。
4.鋼材は、炭素量が増すと靭性(じんせい)が向上する。
5.鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。
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回答と解説動画

正解は(4)

1. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000℃ではほとんど零となる。
→ 正しい
鋼材の強度は温度上昇とともに急激に低下し、1,000℃付近ではほぼ強度を失います。

2. 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。
→ 正しい
鉄骨構造の床材としてデッキプレート(鋼製床版)は一般的に使用されます。

出典:JFE建材

3. 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。
→ 正しい
鉄骨構造では形鋼(かたこう)、平鋼、鋼板など多様な鋼材が用いられます。

形鋼
出典:愛知製鋼
平鋼
出典:愛知製鋼
鋼板
出典:愛知製鋼

4. 鋼材は、炭素量が増すと靭性(じんせい)が向上する。
→ 不適当
炭素量が増えると鋼材の硬度や強度は上がりますが、靭性(衝撃に対する粘り強さ)は低下します。

5. 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。
→ 正しい
鉄骨構造は接合方法や構成によりラーメン構造やトラス構造などに分類されます。
※ラーメンはドイツ語の「Rahmen(額縁)」が語源

鉄骨構造の分類
  • ラーメン構造
    曲げモーメント」「せん断力」「軸方向力」という三つの主要な応力が同時に部材に生じる、剛接合による四角形フレーム構造であり、設計の自由度が高いところが特徴です。
  • トラス構造
    トラス構造は、三角形の骨組みを基本単位として構成された構造で、各部材は軸方向力引張力または圧縮力)のみに抵抗することを前提としています。梁の代わりに使われることも多く、橋や大空間の屋根などに適用されます。
    部材の接合はピン接合(ヒンジ接合)が原則とされ、曲げモーメントが発生しないため、構造的に軽くて強いのが特徴です。また、部材数を抑えながら長いスパンを確保できる利点もあります。
出典:三井のリハウス
出典:国土交通省

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