問題
空気調和設備のポンプに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. | ダイヤフラムポンプは、薬液注入などに用いられることが多い。 |
2. | ターボ型ポンプは、連続的に送水でき脈動が少ないことが特徴である。 |
3. | 渦巻きポンプは、油輸送などの粘度の高い液体の輸送用途に用いられることが多い。 |
4. | ポンプの急停止による水撃作用を防止するには、緩閉式逆止め弁を用いる方法がある。 |
5. | 流体のある部分の圧力が低下し、局部的な蒸発により気泡が発生する現象をキャビテーションという。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1. ダイヤフラムポンプは、薬液注入などに用いられることが多い。
→正しい
ダイヤフラムポンプは、薬液や高粘度液、腐食性液体などの定量注入や移送に広く使われています。
2. ターボ型ポンプは、連続的に送水でき脈動が少ないことが特徴である。
→正しい
ターボ型(遠心・渦巻き・斜流・軸流など非容積式)ポンプは、羽根車の連続回転によって脈動が少なく、安定した連続送水が可能です。
3. 渦巻きポンプは、油輸送などの粘度の高い液体の輸送用途に用いられることが多い。
→不適当
渦巻きポンプ(遠心ポンプ)は主に水や低粘度液体の移送に適しており、粘度の高い液体や油の輸送にはあまり向きません。高粘度液体にはギヤ(歯車)ポンプ、スクリューポンプなどの容積式ポンプが適しています。
4. ポンプの急停止による水撃作用を防止するには、緩閉式逆止め弁を用いる方法がある。
→正しい
ウォーターハンマー(水撃作用)は、配管内の流体の流速が急激に変化したときに、圧力が急上昇または急降下し、配管や機器に衝撃が発生する現象です。
対策としては、急停止・急起動やバルブの急開閉を避け、ゆっくりと操作することで圧力変動を抑えたり、問題文にあるように逆流や急激な流れの変化を防ぐために、緩閉式逆止め弁(緩やかに閉まる逆止め弁)を設置します。
5. 流体のある部分の圧力が低下し、局部的な蒸発により気泡が発生する現象をキャビテーションという。
→正しい
キャビテーションとは、水が「沸騰」して小さな泡(気泡)ができ、それが壊れることで「ガリガリ」「ゴロゴロ」といった音や振動、ポンプの損傷を引き起こす現象です。
ポンプで水を吸い上げるとき、吸い込み口の圧力がとても低くなることがあります。水は圧力が低くなると、温度が高くなくても「沸騰」して泡になります。この泡はポンプの中で流れていき、圧力が高いところに来ると一気に潰れます。これがキャビテーション発生の流れです。
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