ビル管理士 2024年(R6年) 問51  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

流体の基礎に関する次の文章の(  )内に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。

流管の二つの断面A、B間における流れの力学的エネルギーの保存を仮定すると以下の式が得られる。

$$ \frac{1}{2}\rho v_A^2 + P_A + \rho g h_A = \frac{1}{2}\rho v_B^2 + P_B + \rho g h_B $$

この式は、ベルヌーイの定理と呼ばれ、各辺の第一項を( ア )、第二項を( イ )、第三項を位置圧と呼ぶ。なお、実際の流れでは、( ウ )が生じることから、左辺と右辺には差異が生じる。

ただし、ρ:密度、U:速度、P:圧力、g:重力加速度、h:高さ。

1.動圧絶対圧圧力損失
2.動圧静圧圧力損失
3.動圧静圧圧力水頭
4.静圧動圧圧力損失
5.静圧絶対圧圧力水頭
created by Rinker
¥2,200 (2025/06/20 09:31:41時点 Amazon調べ-詳細)

回答と解説動画

正解は(2)

この問題の正しい組合せは
2.ア:動圧 イ:静圧 ウ:圧力損失
です。

\( \frac{1}{2}\rho v_A^2 + P_A + \rho g h_A = \frac{1}{2}\rho v_B^2 + P_B + \rho g h_B\)

ベルヌーイの定理は、流体のエネルギー保存則を表す法則です。
この定理によると、流れの中のある2点(A点、B点)で、
「運動エネルギー(動圧)」「圧力エネルギー(静圧)」「位置エネルギー(位置圧)」の合計が一定になります。

例えば・・・

  • 流れが速くなると圧力が下がる
  • 流体のエネルギーは、流れの中で形を変えても合計は一定(理想的な条件下)。

文字の意味

  • ρ(ロー):流体の密度
  • v:流速
  • P:圧力
  • g:重力加速度
  • h:高さ

各項の意味.

\(\frac{1}{2} \rho v^2\) → 動圧(流体の運動エネルギーを圧力で表したもの)

P → 静圧(流体が持つ圧力エネルギー)

\(\rho g h\) → 位置圧(高さによる位置エネルギー)

現実の流れで生じるもの

実際の流れでは、管内の摩擦や乱流などによって圧力損失(エネルギー損失)が発生します。
そのため、理想的なベルヌーイの式の左辺と右辺は完全には等しくなりません。

ポイント

  • 動圧・静圧・位置圧の意味と式中の位置を正確に覚えること
  • 圧力損失が現実の流れで必ず発生すること
  • ベルヌーイの定理は、配管や空調ダクトの流体計算の基本公式
  • ビル管理士の試験ではベルヌーイの定理を用いた計算問題は出題されないので、用語の意味さえわかっていればOK

解説動画

解説動画はまだありません

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次