特定建築物の定義と種類【ビル管理士試験重要知識】

目次

特定建築物の定義

建築物衛生法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)において、「特定建築物」とは、多数の者が使用する建築物で、その維持管理について環境衛生上の配慮が特に必要なものを指します。
具体的要件は以下のとおりです。

  • 建築基準法に定義された建築物であること
  • 特定用途(後述)に供される部分の延べ面積が3,000㎡以上(学校教育法第1条に定める学校は8,000㎡以上)であること

特定建築物の種類(用途一覧)

用途名具体例・備考
興行場劇場、映画館、演芸場、観覧場(屋外観覧席は除く)
百貨店大規模小売店舗立地法第2条に規定する大規模小売店舗(飲食店を除く)
集会場公民館、市民ホール、各種会館、結婚式場など
図書館図書館法に規定するものに限らず、図書・記録等を収集・整理・保存し、公衆利用に供する施設
博物館・美術館博物館法に規定するものに限らず、歴史・芸術・民俗・産業・自然科学・美術等の資料を収集・整理・保存し、公衆利用に供する施設
遊技場麻雀、パチンコ、卓球、ボウリング、ダンス等の遊技をさせる施設(体育館・スポーツ施設は除く)
店舗小売店、専門店、飲食店、理容所、美容所、その他サービス業に係る店舗
事務所事務をとることを目的とする施設(銀行等は店舗と事務所の両方の用途を兼ねる場合あり)
学校学校教育法第1条に定める学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、中等教育学校、特別支援学校など)
【注意】各種学校・専修学校は含まない(これらは3,000㎡以上で対象)
旅館旅館業法第2条第1項に定義する旅館業を営むための施設(旅館、ホテル等。寄宿舎は含まない)

人文科学系研究所なども事務所扱いで特定建築物に含まれる場合あり。
自然科学研究所・製品試験研究所・工場・倉庫・寄宿舎・共同住宅・病院・診療所・認可保育園・特別養護老人ホーム・宗教施設(神社・寺・教会)・駐車場などは特定用途に含まれません。

延べ面積の算定方法

  • 特定用途に供される部分(例:事務所、店舗の占用部分)の床面積の合計
  • 特定用途に付随する部分(トイレ、廊下、階段、洗面所、機械室などの共用部分)の床面積の合計
  • 特定用途に付属する部分(百貨店の倉庫、新聞社の事務所に付属する印刷工場、店舗駐車場など)の床面積の合計

合計が3,000㎡以上(学校教育法第1条に定める学校は8,000㎡以上)であれば、特定建築物に該当します。

特定建築物に含まれない主な施設

  • 病院、診療所
  • 寄宿舎
  • 共同住宅
  • 神社、寺、教会
  • 工場
  • 住居
  • 自然科学研究所、製品試験研究所
  • 駐車場、地下街の地下道、広場、プラットホームとその上家
  • 認可保育園、特別養護老人ホーム
  • 体育館・スポーツ施設(用途によっては例外あり)

過去問で出題された例

  • 該当するもの:水族館、ボーリング場、公民館、人文科学系研究所、複合型映画館、市民ホール、高等専門学校、地方銀行、自動車学校、特別支援学校、幼稚園(8,000㎡以上)、予備校、幼保連携型認定こども園、博物館、旅館、図書館、遊技場、百貨店、集会場、飲食店、結婚式場、社交ダンスホール
  • 該当しないもの:寺院、病院、自然科学系研究所、スポーツジム、製品試験研究所、寄宿舎、共同住宅、工場、倉庫、認可保育園、特別養護老人ホーム、教会
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