ビル管理士 2021年(R3年) 問48  過去問の解説【空気環境の調整】

問題

建築材料表面(白色プラスター、アスファルト、新しい亜鉛鉄板、光ったアルミ箔(はく))の長波長放射率と日射吸収率の関係を下の図中に示している。最も適当なものはどれか。

ABCD
1.白色プラスターアスファルト 光ったアルミ箔新しい亜鉛鉄板
2.光ったアルミ箔新しい亜鉛鉄板白色プラスターアスファルト
3.白色プラスターアスファルト新しい亜鉛鉄板光ったアルミ箔
4.アスファルト白色プラスター新しい亜鉛鉄板光ったアルミ箔
5.新しい亜鉛鉄板光ったアルミ箔白色プラスターアスファルト
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回答と解説動画

正解は(1)

図の各点は、縦軸が長波長放射率、横軸が日射吸収率を示しています。各建築材料の特性は以下の通りです。

A点(長波長放射率:約0.9/日射吸収率:約0.1)
→ 白色プラスター
白色系材料は長波長放射率が高く(約0.9)、日射吸収率が低い(約0.1)特徴があります。

B点(長波長放射率:約0.9/日射吸収率:約0.9)
→ アスファルト
黒色系材料は長波長放射率が高く(約0.9)、日射吸収率も高い(約0.9)特徴があります。

C点(長波長放射率:約0.1/日射吸収率:約0.1)
→ 光ったアルミ箔
金属光沢材料は長波長放射率が低く(約0.1)、日射吸収率も低い(約0.1)特徴があります。

D点(長波長放射率:約0.2/日射吸収率:約0.7)
→ 新しい亜鉛鉄板
新しい亜鉛鉄板は長波長放射率が低め(約0.2)で、日射吸収率が中~高(約0.74)です。

ポイント

以下の表は材料ごとの放射率と日射吸収率を一覧にしたものです。この表を覚えておけば同内容の問題は確実に得点できます。

材料名放射率
(長波長放射率)
日射吸収率
白色プラスター0.90.1
白色ペイント0.90.2
黒色ペイント0.90.9
アスファルト0.90.9
木材(松板)0.60.9
新しい亜鉛鉄板0.20.74
酸化した亜鉛鉄板0.30.8
光ったアルミ箔0.10.1
ヘタ・レイ

以下の図も参考にすると覚えやすいかもしれません。
アルファるとは黒色系材料に該当し、長波長放射率、日射吸収率ともに高いです。(図ではどちらも1に近い右上にありますね)
逆に光ったアルミ箔は、長波長放射率、日射吸収率ともに低いです。(図では原点0に近い左下にありますね。)

日射吸収率と長波長放射率まとめ

日射吸収率とは?

  • 日射吸収率は、「太陽の光(主に可視光線や近赤外線)を、物体がどれだけ吸収するか」を表す割合です。
  • 太陽光の波長(約300~2,500nm)の範囲で、値が大きいほど太陽の熱をよく吸収し、値が小さいほど吸収しない(反射や透過が多い)ことを意味します。
  • たとえば、黒い屋根やアスファルトは日射吸収率が高く、白い壁やアルミ箔は低いです。

長波長放射率とは?

  • 長波長放射率は、「物体が自分の熱を赤外線(主に10μm付近)として外に放射する割合」です。
  • これは、物体自体が温かいときに放出する赤外線(熱放射)のしやすさを示します。
  • 値が大きいほど熱をよく放射し、値が小さいほど熱を放射しにくい(熱をためこみやすい)です。
  • たとえば、アスファルトや白色ペイントは放射率が高く、光ったアルミ箔は低いです。

ポイントまとめ

  • 日射吸収率:太陽の熱をどれだけ吸収するか(昼間の熱のたまりやすさに関係)
  • 長波長放射率:自分の熱をどれだけ外に放射するか(夜間の冷えやすさ、保温性に関係)
  • この2つは材料や色によって違い、必ずしも同じ値ではありません

  • アスファルト・黒系の材料:日射吸収率も放射率も高い(よく熱を吸収し、よく熱を放射する)
  • 白色ペイント:日射吸収率は低いが、放射率は高い
  • 光ったアルミ箔:日射吸収率も放射率も低い(熱を吸収しにくく、放射もしにくい)

解説動画

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