ビル管理士 2020年(R2年) 問76  過去問の解説【空気環境の調整】

内容に誤りがあった場合は、お手数ですがコメント欄で教えて頂けると助かります。

問題

空気浄化装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.電気集じん器は、高圧電界による荷電及び吸引・吸着によって粉じんを捕集・除去するもので、ろ過式に分類される。
2.ガス除去用エアフィルタの使用に伴う圧力損失の変化は、ほとんどない。
3.空気浄化装置を空気が通過するときの抵抗を圧力損失といい、空気浄化装置の上流と下流側の全圧差[Pa]で表示される。
4.ガス除去用エアフィルタには、シリカゲル、活性炭等を用いた吸着剤フィルタがある。
5.HEPAフィルタやULPAフィルタは、極微細な粉じん粒子を高い性能で捕集できる。
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回答と解説動画

正解は(1)

1. 「電気集じん器は、高圧電界による荷電及び吸引・吸着によって粉じんを捕集・除去するもので、ろ過式に分類される。」
誤り
電気集じん器は、静電気力を利用して粉塵を捕集する「静電式」に分類されます。高圧電界で粉塵を荷電し、集塵極に吸引・吸着させる仕組みであり、物理的なろ材(フィルタ)を使用しません。一方、「ろ過式」はHEPAフィルタなどのように繊維層で粉塵を捕捉する方式です。分類の誤りがポイントです。

2. 「ガス除去用エアフィルタの使用に伴う圧力損失の変化は、ほとんどない。」
正しいです
ガス除去フィルタは、活性炭やシリカゲルなどの吸着剤を使用します。これらの材料は粉塵フィルタと異なり、目詰まりを起こさないため、圧力損失の変化が極めて小さいという特徴があります。試験では「ガス除去=圧力損失変化なし」と覚えましょう。

3. 空気浄化装置を空気が通過するときの抵抗を圧力損失といい、空気浄化装置の上流と下流側の全圧差[Pa]で表示される。」
正しいです
圧力損失の定義そのままです。装置の前後(上流・下流)の全圧の差で表され、単位はパスカル(Pa)です。用語の定義問題は確実に正解したいポイントです。

4. 「ガス除去用エアフィルタには、シリカゲル、活性炭等を用いた吸着剤フィルタがある。」
正しいです
ガスや臭いの除去には、活性炭(揮発性物質の吸着)やシリカゲル(湿度調整)などの吸着剤が用いられます。吸着剤の種類は頻出事項です。

5. 「HEPAフィルタやULPAフィルタは、極微細な粉じん粒子を高い性能で捕集できる。」
正しいです
HEPAフィルタは0.3µm粒子を99.97%以上、ULPAフィルタは0.15µm粒子を99.999%以上捕集します。性能の数値までは問われませんが、「極微細粒子の捕集」という特徴は必須知識です。

ポイント

  • 分類の誤りに敏感になる
    「静電式 と ろ過式」の区別は頻出です。
  • 圧力損失の特性を整理
    ガス除去フィルタは「変化なし」、ろ過式は「目詰まりで損失が増加」と対比させて覚えましょう。
  • 用語の定義を正確に
    「圧力損失」「吸着剤」「捕集効率」などのキーワードは定義を再確認してください。

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