問題
下に示す湿り空気線図に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. | 乾球温度14℃、相対湿度80%の空気を加熱コイルで25℃に温めると相対湿度は約40%となる。 | ||
2. | 乾球温度10℃、相対湿度80%の空気は、乾球温度22℃、相対湿度30%の空気より絶対湿度が高い。 | ||
3. | 乾球温度22℃、相対湿度60%の空気が表面温度15℃の窓ガラスに触れると結露する。 | ||
4. | 乾球温度19℃の空気が含むことのできる最大の水蒸気量は、0.010kg/kg(DA)より大きい。 | ||
5. | 露点温度10℃の空気は、乾球温度29℃において約30%の相対湿度となる。 |
回答と解説動画
正解は(3)
1.乾球温度14℃、相対湿度80%の空気を加熱コイルで25℃に温めると相対湿度は約40%となる。
→正しい。
湿り空気線図で14℃・相対湿度80%の点【下図、赤点】から水平に移動(絶対湿度一定)すると、25℃では相対湿度約40%【下図、青点】となる。絶対湿度が一定でも温度が上がると相対湿度は下がる基本原理と一致する。
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2.乾球温度10℃、相対湿度80%の空気は、乾球温度22℃、相対湿度30%の空気より絶対湿度が高い。
→正しい。
湿り空気線図で両方の点を確認すると、10℃・相対湿度80%【下図、赤点】の空気の絶対湿度は約0.006kg/kg、22℃・相対湿度30%【下図、青点】の空気の絶対湿度は約0.005kg/kgとなり、前者の方が高い。
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3.乾球温度22℃、相対湿度60%の空気が表面温度15℃の窓ガラスに触れると結露する。
→不適当。
結露は空気が露点温度以下に冷やされたときに発生する。22℃・相対湿度60%【下図、赤点】の空気の露点温度は、線図上で絶対湿度線を左に辿ると約14℃【下図、青点】となる。窓の表面温度15℃は露点温度より高いため、結露は発生しない。
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4.乾球温度19℃の空気が含むことのできる最大の水蒸気量は、0.010kg/kg(DA)より大きい。
→正しい。
線図上で19℃の垂直線と相対湿度100%曲線の交点を見ると、絶対湿度は約0.014kg/kgとなり、0.010kg/kgより大きい。
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5.露点温度10℃の空気は、乾球温度29℃において約30%の相対湿度となる。
→正しい。
露点温度10℃の空気の絶対湿度は約0.0075kg/kg(DA)【下図、赤点】。この絶対湿度で29℃の点【下図、青点】を見ると、相対湿度は約25〜30%となる。「約30%」という表現は許容範囲と考えられる。
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